【裁判ルポ】江別市大学生強盗致死事件(下) あす(5日)共犯の女に求刑
2026年 6月 4日 13:06 掲載
<(上)から続く>
■証人が証言を「拒否」
裁判では異例の出来事もあった。
証人として川口被告も出廷したときのことだ。
6人の中でも、川口被告については札幌家庭裁判所が少年審判のなかで「率先して暴行を加え、終始犯行を主導していた」などと「主犯格」として指摘している。
スーツ姿の川口被告は証言台の前に立った。
裁判長
「宣誓用紙を手に持って読み上げてください」
川口被告
「宣誓はしません」
裁判長
「それはどういうことですか?」
川口被告
「自分の裁判がもう少しで始まるので、そのときに証言します。ただやってしまったことは本当に申し訳ございませんでした」
裁判長から処罰される可能性があると説明をされるが、川口被告は力強い声で答えた。
「宣誓はしません」
川口被告が退廷し、裁判は一時中断された。廷内には驚きの声が出て、弁護団も動揺した様子で話し合っていた。
■残されていた約20分の動画
長谷さんは身の危険を感じていて、スマホで被告らとのやり取りを録音していた。
長谷さんが被告らから暴力を受けていたときの音声も残っていて、裁判では当該部分のみが再生された。
風を切りながら打たれる拳の音。長谷さんのうめき声。女性の笑い声。鳴りやまない暴力の音が20分にわたって再生された。
私(中川記者)は動画を聞きながら正直、息が詰まりそうだった。
音声が再生される間、川村被告は険しい表情で画面を見つめていた。今回の裁判で罪に問われている一人、瀧澤被告は呆然とした様子で音声を聞いていた。暴行の中で川口被告は、長谷さんからクレジットカードを奪い、その場にいた少年たちにタ
バコを「買い与える」指示を出していた。
<長谷さんが記録した音声>
川口被告
「ワンカートン、ワンカートン、ワンカートン」
瀧澤被告
「でかいきたー!」
検察官
「なんですかこれ?」
瀧澤被告
「喜んだと思います。もらえると思って喜びました」
動画が再生されたとき、検察側の席に座っている遺族から涙をすする声が聞こえてきた。
瀧澤被告はそれにも呆然とした様子だった。
瀧澤被告は長谷さんの背中に「ライダーキック」をするなどの暴行をしている。
弁護士
「なぜライダーキックをしたんですか?」
瀧澤被告
「ライダーキックをすれば笑いに変わると思い、暴力が終わると思いました」
弁護士
「どのように蹴りましたか」
瀧澤被告
「ライダーキックと言いながら蹴りました」
弁護士
「なぜ技名を言うんですか?」
瀧澤被告
「ライダーキックということで笑いに変わり、暴力が終わると思いました」
弁護士
「周りの人の反応は」
瀧澤被告
「周りの人達は笑っていました」
■あす求刑へ
長谷さんはその後、服を脱がされ、ライターで体をあぶられるなどの暴行を受けた。
解剖した医師によると「頭皮から顔まで出血しないところがない」というほどの外傷だったという。
今回裁判を受けている当時16歳だった少年は「川口くんに恩があって逆らえなかった」と答えた。
彼らは自分たちのやったことに対して、どれほど罪の重さを理解しているのだろうか。
あすは川村被告に検察側から求刑が出される予定だ。
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