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転落の瞬間、食い違う証言  旭川女子高生殺害事件、内田被告の裁判 判決を前に元検事弁護士が読み解く

旭川市の神居大橋から女子高校生を転落させ殺害したなどの罪に問われている内田梨瑚被告について、来週、判決が下されます。求刑27年の検察側の意図を元検事の弁護士に聞きました。

内田梨瑚被告)
「私に殺意はありませんでしたし、橋から落下させていません」。

検察官)
「被害者の苦痛や無念さを言葉で表し尽くすことはできない。懲役27年に処するべきである」。

2年前、17歳の女子高校生が川に転落させられ、およそ1か月後に枝に引っかかっているところを発見されました。死因は溺水による窒息でした。

先月から始まった内田梨瑚被告の裁判員裁判。初公判では、23席の一般傍聴席に対し、300人以上が行列を作りました。

内田被告は、2024年4月、当時19歳の女と共謀して留萌市の女子高校生を車に監禁。旭川市の神居大橋に連れて行き裸にさせて暴行を加えた上橋から落とし殺害したとして、「殺人」、「不同意わいせつ致死」、「監禁」の罪に問われています。

内田被告)
「私に殺意はありませんでしたし、橋から落下させていません」。

内田被告は初公判で、「殺人」と「不同意わいせつ致死」について否認しました。

当時19歳の女)
「梨瑚さんは、被害者の子の肩甲骨のあたりを、両手のひらで押しました」。

対立するのは橋から転落した場面。証人として出廷した当時19歳の女は、女子高校生を2人で押して欄干の外側に立たせ、「落ちろ」「死ねや」と2人で何度も怒鳴ると女子高校生は大きく深呼吸をして上体を前に倒し、その背中を内田被告が押したと主張。ロープのようなものに掴まったあと姿が消え「キャー」という叫び声と「バン」という何かにぶつかったような図太い音がしたといいます。

内田被告)
「女子高校生は、自力で上がってきました。『うちら帰るから』と言って車に戻りました」。

一方、内田被告は2人で押すと女子高校生はロープにつかまり自力で上がってきたと主張。そのままにして立ち去ると後ろで「キャー」という声と「ダン」という音が聞こえたと話しました。

客観的証拠がない中、対立する主張をどう評価するのでしょうか。

元検事・中村浩士弁護士)
「落ちた直接の原因が不明だとしても、もう落ちざるを得なかったんだと。(それまでの言動の)動画があり、関係者の証言、本人たちの供述から殺人の実行行為全体としては十分認定可能な事案だと思う」。

検察は内田被告を「首謀者かつ主犯」とした上で、「心身ともに極限まで追い込むとともに人格の尊厳を踏みにじった挙げ句、最期まで苦痛を与え続けながら確実に死に至らしめ、その痕跡すら残らない方法で殺害しており、極めて残虐・悪質」だとして、懲役27年を求刑しました。

元検事・中村浩士弁護士)
「主従関係としては内田被告が主であり、内田被告の求刑を重くすべきである一方で、やっている中身としては実質かなり等しい刑責、重たい行為をともにしているというところで、なかなか差を設けるという要素が難しい事件でもあると思う」。

検察は、過去に無期懲役となった「殺人」および「強制わいせつ致死」の事案は、性欲を満たすためのものであり、内田被告は「制裁」のために裸にさせているという目的の違いを考慮すべきだとして、有期刑の最長である懲役27年の求刑に至ったということです。

元検事・中村浩士弁護士)
「被害者のことを思えば、性犯罪でしかなく、そこは軽視しているわけではないんですが、どちらが本質かというとやはり殺人制裁だというところで、無期刑の選択というのは躊躇して有期刑の選択をしたと。無期求刑から有期に認定が落ちるというところをやはり警戒して回避したかったという検察の狙いがあるのかなと率直に感じます」。

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