内田梨瑚被告に懲役27年 判決のポイントは? 法廷に男乱入「こんな裁判あるか」(下)
2026年 6月22日 19:34 掲載
旭川から中継でした。では、ここからは専門家の解説です。元検事で刑事事件に詳しい、磯部真士(いそべ・しんじ)弁護士にこの時間は解説をお願いします。どうぞ、よろしくお願いいたします。
磯部弁護士
「よろしくお願いいたします」
裁判所は判決、懲役27年を言い渡したんですが、主な争点はこちらです。殺人、そして不同意わいせつ致死について、検察、弁護、双方の主張があります。まずは磯部さん、率直に今回の判決、どうご覧になりましたか?
磯部弁護士
「すでに宣告されていた共犯者の判決を踏まえると、十分に予想された内容、であると言えます」
なるほど。ということは、特段驚きは磯部さんとしてはなかったということになりますでしょうか?
磯部弁護士
「その通りです」
はい。そして、今回の裁判のポイントなんですが、こちら2つ、磯部さんに挙げていただきました。
まず、①殺人の実行行為について、そして②内田被告と共犯者の主張の違い、この2つ裁判所はどういう判断を下したかというところを解説いただきたいんですが、まずは1番のこの殺人の実行行為、これはどういうポイントだったんでしょうか?
磯部弁護士
「今回の事実、について、例えば内田被告人が押して、落として死亡した、ということであれば殺人の実行行為として分かりやすいものになりますが、そのような行為までは起訴していない、ことになります。脅し続けて、最終的に自分の、自分から落ちた、という認定ですけども、それを実行行為と言えるのかどうか、ということが問題ですが、数時間にわたって暴行や脅迫を受けて、その上でこのような橋の欄干に追い詰められて、『死ねや』『落ちろ』ということで追い込まれた状況であれば、そのように脅す、ということ、追い込まれた状況として、もう落ちて死んでしまう、ということは、十分であり得ること」
「押して落とすことと同視できる、ということで実行行為性も認めた。まあ、これは、ある意味、社会常識、にも適(かな)うような判断、ではないかとは思います」
なるほど、そうですね。そして2つ目です、こちら。後ろの画面にもありましたが、内田被告と共犯者の主張の違いについてです。
これはあの今回、裁判員裁判でしたので、裁判員のコメントというのがあります。被告人は多々矛盾するような証言だった、それに比べて共犯者の方が辻褄が合うと判断したとある裁判員は話しているんですが、えー、磯部さん、この②に関しては、どう認め、どういう判断が下されたんでしょうか?
磯部弁護士
「共犯者の供述というのは、元々慎重に判断しないといけない、というのは、共犯者は、もう一人を引っ張り込んで責任転嫁をすると、自分の罪を軽くしようとする、という傾向があるから、ということになります。ですから今回も、内田被告人が落としたんだと、押して落としたんだ、というところを、まで言う、起訴するんであれば、そこはまさにそこが当てはまることになりますけど、そこは起訴しなかった、検察官としては」
「結局、内田被告人の話が本当であれば、橋から二人で離れた後に落ちた、のにもかかわらず、共犯者の方は、『いやいや私の目の前で、二人の目の前で落ちたんだよ』ということを、自分に不利なことをあえて言っている、それはもう、共犯者としての引っ張り込みの危険ではないじゃないですかと。で、その限度で起訴した」
「それを裁判所としても是認して、その判決を下した。まあ、ある意味、検察官の戦略について、それもスムーズに認められた、という、捉え方ができます」
今回の判決、重さとしては、磯部さんはどう考えますか?
磯部弁護士
「従来からの裁判傾向からすると、やはり重めの判決ということにはなります」
「ただ、共犯者、の判決が23年ということでありましたから、その時点で、25年を下回るような判決が、内田被告人に下されることはまず考えられない。25から27の間でしょうと。その中では、まあ、重めではありますけど、あり得る、十分にあり得る判決、判断だとは思います」
共犯の女性被告が懲役23年で確定してるじゃないですか。その4年の差っていうのは、ど、具体的にどういう部分で、つけるんですかね?
磯部弁護士
やはり、今回の構成として、内田被告人がいなければ起きなかった事件だと。で、終始主導していた、というところは、やはりそこはもう、そう認めざるを得ないので、それくらいの差はつけましょう、というのが裁判所の判断、ということになります」
私の手元に判決要旨がありますので、その最後の部分をちょっと読み上げさせていただきます。
被告人は自責の念に基づいた真摯な反省を汲み取ることはできない。そして、前科前歴がないことなど、被告人のために汲むべき事情を考慮しても、被告人に対しては有期懲役刑を選択した場合における最長の刑を科するほか、ないと判断したと裁判所は話しています。
懲役27年に対して求刑も、判決も懲役27年ということでした。
ここまで、元検事でいらっしゃいました、磯部真士弁護士にお話を伺いました。どうもありがとうございました。



















