【道内最古】100年以上の歴史をもつ蘭島海水浴場 少子高齢化に物価高騰…資金不足で閉鎖の危機に直面
2026年 7月16日 12:14 掲載
夏本番を迎え、続々と海開きが行われていますが
様々な理由からその数は年々減少しています。
道内最古の海水浴場でも、いま閉鎖の危機に直面しています。
透き通った海に柔らかな砂浜。
豊かな自然に囲まれた道内最古のビーチ
小樽市の蘭島海水浴場です。
蘭島海水浴場組合 山口 憲一組合長
「きょうから海水浴場の準備となりますけども、
10日の日がオープンとなります。
本日もよろしくお願いします」
海開きを3日後に控えたこの日、
設営準備が始まりました。
参加するのは、海水浴場を運営する組合員と
地元のボランティアです。
蘭島海水浴場は、岸から沖合までの傾斜がゆるやかで
浅い状態が続く「遠浅」の地形が特徴です。
比較的水温が上がりやすく、小さな子どもや初心者でも遊びやすいため
毎年、多くの家族連れなどで賑わいます。
去年の利用者数は45日間でおよそ10万人。
道内の海水浴場で最も多くの人が利用しました。
1903年に道内で初めて民間の事業者らによって開設された
蘭島海水浴場。
かつてはニシン漁で栄えた静かな漁村でしたが、
鉄道の開通をきっかけに札幌や小樽からの観光客が押し寄せる
一大行楽地へと発展しました。
最盛期は1980年代。
年間利用者数はおよそ70万人に上り、
当時の海の家は、夏1ヵ月間の稼ぎだけで
1年間暮らしていけるほどの売り上げがあったといいます。
組合員歴約30年
「昔は人がいっぱい来てたでしょ。
この辺に貸しボートとかいっぱいあったのさ」
組合員歴約50年
「蘭島駅に汽車が停まって、先頭が浜についても
まだ後続が蘭島駅のホームにいた。
1日に6万人。この浜に6万人も来たら泳ぐところない」
100年以上、道民に愛されてきた海水浴場ですが
静かに閉鎖の危機を迎えています。
蘭島海水浴場組合 山口 憲一組合長
「色々ガタが来ちゃってるから、もう何十年も使ってると思うんです。
これも前の組合長さんが自分で書いて作ってくれたんです。
もう古くなってきたんで『俺が書いて頑張るわ』って言って。
助かっていますね」
潮風による塩害などの影響で老朽化が目立つ看板や小屋。
修繕費が賄えなくなってきています。
少子高齢化や屋外レジャーの多様化で、利用者が減少。
おととしは最盛期のおよそ9割減、8万3千人ほどにまで落ち込み、
およそ100万円の赤字に転落しました。
海水浴場の運営にかかる設備費や人件費は、
この費用を駐車場やテントサイトの利用料金、
そして組合員が海の家などを開く際に支払う組合費で賄います。
しかし、利用者の減少とともにかつては200人を超えていた組合員は
いまや9人に。
最盛期に積み上げてきた資金も、底をつきました。
蘭島海水浴場組合 山口 憲一組合長
「2~3年前からっていうかもっと前から
今まで積み立てていた預金がちょっとずつ(減って)、
貯金もなくなったときに組合員で組合に一時的にお金を貸して」
この状況の改善のため、去年、駐車場料金を
800円から1000円に値上げ。
天候に恵まれたこともあり、なんとか黒字に持ち直しましたが
組合員からの借り入れは未返済のままです。
道内の海開きは記録の残る1994年以降、
最も多い1995年の66か所から
今年は35か所にまで減少。
民営・公営に関らず、
物価や人件費の高騰による赤字経営が大きな理由の1つです。
蘭島海水浴場組合 山口 憲一組合長
「コロナのときもあったんですけど、
一時閉鎖するかなとも思ったんですけど
ゴミの問題とか違法駐車の問題とか、
そういうのも考えてこれは続けていかなければと」
悩ましい状況の中、今年も巡ってくる海開き。
思い出のビーチを守ろうと、支援の輪が広がっています。
小樽市の蘭島海水浴場。
開設以来、海の家などを経営する
組合員によって運営が続いてきましたが、
利用者や組合員の減少による資金不足で
閉鎖の危機に直面しています。
蘭島海水浴場組合 山口 憲一組合長
「売店だけじゃ正直言ってできないです。赤字です。
僕も駐車場がないんで売店だけなんですけど
年間人件費も払って赤字なんですけども
なんか好きでやっちゃうんですよね。
本当にそれだけですよ、好きだから。
活気は絶やしちゃいけないなって」
蘭島海水浴場組合 総務・会計部長 嶽 園花さん
「海開き…なんとか晴れましたというか曇りですけどね。
ちょうど来ましたね、きょうのビッグメインイベントの海保の」
今回の海開きには、様々な支援が。
初めての開催となる海上保安庁のイベントに巡視船も駆け付けました。
全国からの援助も。
組合は先月、老朽化した設備の修繕費を確保するため
初めてのクラウドファンディングに挑戦。
80万円の目標額に対し、全国から100万円以上の寄付が集まり、
順次、設備を新調しています。
今年からはオリジナルグッズの販売にも挑戦するなど
資金調達に向けて奔走中です。
蘭島海水浴場組合 総務・会計部長 嶽 園花さん
「組合に直接寄付してくださる方も何人もいらっしゃいまして。
本当に救われました。
やっぱり続けていくことでお返しができるかなと思うので
みなさんで知恵を出しながら協力してやっていきたいと思っています」
様々な応援を受け、迎えたこの日でしたがあいにくの天気に。
イベントもビーチから屋内へ変更となりました。
蘭島海水浴場組合 山口 憲一組合長
「頑張っていきますよ、この蘭島海水浴場。
皆さんの協力のもと頑張っていければいいな。
快適で安心安全でファミリー的な
キャッキャッ子どもたちの声が常に響き渡るような
楽しい海水浴場を目指しています」
長年多くの人に愛され、100年以上の歴史を紡いできた
蘭島海水浴場。
未来へつなぐ、新たな1歩を踏み出しました。



















