アメリカ産生ジャガイモの輸入解禁、日本一の生産地・北海道への影響は?
2026年 8月20日 16:10 掲載
じゃがいもの生産が盛んな空知の由仁町。こちらの農家では、6ヘクタールの広大な土地で、複数種類のじゃがいもを生産しています。今年の生育状況は悪くないということですが、アメリカ産生じゃがいもの輸入解禁については危機感を抱いています。
NOSAI北海道 道央空知センター 吉田秀弘理事
「輸入に関しては、自分としては困ります。やっぱり困ると思いますよ。やはり病害虫ですね。シストセンチュウだけはね、一度圃場(ほじょう)に侵入すると、もう自分が死ぬまではずっといると思うんだよね」
ジャガイモシストセンチュウ。一度でも畑に侵入されると急速に拡大し、生育に甚大な被害を及ぼします。
こうした病害虫が国内に入り込むのを防ぐため、ポテトチップスの加工用を除き、原則輸入が禁止されている生じゃがいも。
吉田理事
「各圃場から出るとき、違う圃場に入るとき、トラクターだとか作業機を洗浄して、先にいた圃場の土を次の圃場に入れないという対策ですね」
トラクターを洗浄して汚れを落としたり、畑の立ち入りを制限したりと、日頃対策をとっています。
実際に政府に抗議に行く生産者も。
北見地区農民連盟 坂野和弘委員長
「日本国内にまだ発生していない病害虫、こういったものが、生バレイショとして国内に侵入してくることを、大変現場では不安に思っております」
オホーツク管内の農業関係者などでつくる「北見地区農民連盟」は昨日(19日)、農林水産省を訪れ、生産者ら8892人にのぼる輸入解禁反対の署名を提出しました。
こうした反対の声を受けながらも、農林水産省は、生じゃがいもの輸入解禁に向けて、病害虫のリスク評価を行うなどの手続きを進めています。
輸入解禁の判断時期や価格動向など、不透明な状況が続きそうです。
じゃがいもについてまとめてみました。「アメリカ産じゃがいも これまで加工用のみ輸入」。
なぜ今、生じゃがいも輸入解禁の話が出ているのかということなんですが、実は6年前から要請があって、現在も協議中だということなんですね。
そして、輸入解禁になりますと、メリット・デメリット双方あります。
まずメリットです。大前提としてじゃがいもの収穫量というのは年々減っていて、価格も高くなっている傾向にあります。メリットとしては安定供給が見込まれる、不作時の対応もできるということです。
そして「価格が安くなる?」とクエスチョンマークがついています。病害虫の検査コストもかかるので、本当に安くなるかは今のところ不透明だということです。
国は現在、病害虫のリスク評価の段階で、11段階ある手続きの3番目、あと8段階あるということなんです。
VTRにもありましたが、そもそもじゃがいもというのはものすごく病害虫に弱いもので、リスクとしてはこんなものが考えられます。
「ジャガイモシストセンチュウ(難防除害虫)」。ヨーロッパ、北米、南米、オーストラリアなどに生息しています。
成虫はだいたい1.2mmぐらいなんですが、交尾をした後のメスは体内に卵を保持し「シスト化(殻化)」するということなんです。
そのシストになると、大きさもちょっとちっちゃくなりまして、なんと1個のシストの中に500個ぐらい卵が。
厄介なのが、乾燥と低温に強いそうで、畑に紛れると発見するのが困難。幼虫が根っこなどにつくと実が枯れてしまう恐れがあって、人体に影響はないんですけれど、一番厄介なのが「一度畑に侵入すると完全根絶は難しい」ということなんです。
北海道というのは、国内のじゃがいもの8割を生産している地域ですので、やっぱり農家の方はものすごく心配になるわけですよね。
私、20年近く前に北海道に初めて来て、一番感動したのがスーパーのじゃがいもがこんなに美味しいんだっていうことだったんですね。
いろいろじゃがいもの農家さんとかと話していても、本当に丁寧に丁寧に作っていらっしゃる。
そういうのを知った上でこの話を聞くと、消費者とはいえ安くなる部分はメリットなのかもしれませんが、果たしてそれで買うだろうかって言ったら、ちょっと疑心暗鬼になるところはありますね。
昨日、JAの会見もありまして、北海道は日本一の生産地であると同時に、種芋も全国各地に供給しているので、一度害虫が入ると全国に被害が拡大してしまう可能性もあるということでした。
農業を守るためにも慎重な判断が求められます。



















