北海道夕張市の銘菓・うさぎや「シナモンドーナツ」 "どこか懐かしい" 愛される味の奥に地域の絆
2026年 8月29日 12:11 掲載
揚げたてのドーナツに、こだわりのシナモン。
■うさぎや三代目店主・佐々木宏和さん
「配合も全部、創業以来変わらない。じいちゃんの時代から。それは変わらないと思う」
佐々木宏和(ささき・ひろかず)さん、55歳。
創業から100年近い夕張市の老舗菓子店「うさぎや」の三代目店主です。
炭鉱の歴史が残る夕張市で生まれ育った佐々木さん。
受け継いだ菓子は
いまやこの街の名物です。
■夕張市民
「子どもでも大人でも年寄りでも美味しくいただける」
■北広島から
「僕の女房が夕張出身で教えてもらった。(知ったのが)30年くらい前かな。(妻もシナモンドーナツが)大好きです。もう天国に行っちゃいましたけど」
大人から子どもまで、長年愛され続けている「シナモンドーナツ」。
この味の奥には、かけがえのない「地元の絆」がありました。
午前6時。
佐々木さんはうさぎやの名物「シナモンドーナツ」の仕込みを始めます。
■うさぎや・三代目店主佐々木宏和さん
「冬と夏と湿気のあるときと、ちょっと分量変えている」
シナモンドーナツが生まれたのは
夕張市の炭鉱産業が最盛期だった1960年代。
それまで、うさぎやでは炭鉱会社向けに高級和菓子を中心に作っていましたが、「誰もが気軽に食べられるように」と初代店主の太郎(たろう)さんが考案。
地元の子どもや炭鉱労働者に愛された味は変わらず、
いまも技術が受け継がれています。
母の夕紀子(ゆきこ)さん。
佐々木さんの作業を毎朝
じっと見守り続けています。
■うさぎや・三代目店主佐々木宏和さん
「(母は)いろんなことしてた。ドーナツを揚げるのと砂糖つけるのと、お餅の手伝いも何でもしてた。接客もおふくろがずっとやってた。半分くらいはおふくろに教わった」
夕紀子さんは、7年ほど前に認知症になりました。
それ以来、日中のデイサービスの時間以外は
佐々木さんが仕事をしながら介護をしています。
■うさぎや・三代目店主佐々木宏和さん
「(母は)大勢の(人がいる)ところで生まれたので2人きりになるとすごく寂しがります。俺いないと追いかけて探しますから。だから施設に預けるのは…(母は)多分寂しいと思う。まだ俺もできると思ってる、おふくろの世話は」
お昼すぎ。
佐々木さんはドーナツの配達に出かけます。
夕張市外のお店でも取り扱っていて、佐々木さん自ら届けに向かいます。
■うさぎや・三代目店主佐々木宏和さん
「お世話になっています」
「よろしくお願いします。
はい、ありがとうございます」
■うさぎや・三代目店主佐々木宏和さん
「学生さんは十何人卒業してたのか卒業というか、アルバ
イトしてもらった。高齢化率が高い夕張で学生来て一緒に働くと楽しいよ、若返るというか」
学生時代、市内でのバイト先が少なく困った佐々木さんの経験から、
うさぎやでは地元の高校生もアルバイトとして受け入れています。
事務所には卒業した学生の靴がいまも大切に残されています。
この日、うさぎやには
かつてこの店でアルバイトをしていた学生が訪れていました。
夕張で生まれ育ち、かつてのにぎわいを知る佐々木さん。
■うさぎや・三代目店主佐々木宏和さん
「何十年も離れている夕張にゆかりのある人が訪れた時にまだやってるって変わってないねって言ってもらえるよう頑張っていくのが夢ですね」
時代とともに変わりゆく夕張の街で、
きょうも変わらず“どこか懐かしい味“を守り続けています。



















