9月1日金曜日。藤村でございます。
ようやく札幌に戻ってまいりました。
ミスターさんのオーパーツ「天国への階段」全国公演は、連日のスタンディングオベーションという大盛況で終了いたしました。
孤独死の現場、そこを掃除する特殊清掃人を題材としたお芝居。テーマは重く、暗いが、それをコメディーにするとうミスターさんの無謀な挑戦は見事に成功したのではないでしょうか。
芝居というのは、その時にしか観られない、その場所に行かないと体感できない、値段もちょっと高い、とても不便なものです。でもね、この「天国への階段」というお芝居は、もう二度と観られないんですよね。あの笑いと涙は、もう二度と体感できない。だからお芝居はいいんですけどね。
観に来てくれた方からはフェイスブック「藤やんとうれしー」に熱い感想が寄せられました。ありがとうございました。
そして!いよいよ今年のキャラバンが6日の青森からスタートいたします!
ことらも、現場に来ないと体感できない生のイベントです。各会場でお待ちしておりますよー!
で、今年も非公式グッズを販売いたします。今年のTシャツはドット(水玉)デザイン。昨年好評だったエプロンもデザインを改良して販売。そのほか、屋久島で「そのジャージ栗生んじゃねぇ?」の名言を生んだ緑とえんじ色ジャージも仕入れて数量限定で販売!今年も公式グッズに訴えられないギリギリを狙ってグッズ展開しております。
グッズの写真はフェイスブック「藤やんとうれしー」で公開いたします。
ではみなさま!楽しみにしておりますぞ!
一緒に飲みましょう!
2017年8月21日(月)
嬉野です。
去年の秋のこと、
藤村さんと2人、ケッタイなイベントに招かれました。
そのイベントは「よろしくご笑覧ください」という実にへりくだったタイトル名のパフォーマンスイベントでありました。
場所は千年の王城でありますニッポンの古都、京都。
その京都の町中にある廃校となった小学校の講堂が会場でした。
会場に到着いたしますと、ステージを見上げる客席の真横に、明らかにステージより目立つんじゃないかと思えるほどのザブステージが設えられており、そこにド派手な金屏風が立てられデッカい1人がけのソファーが2つ並べられておりました。
そこに私と藤村さんが座るのだというわけでございます。
さて、そこに座った我々2人がいったい何をするのかといえば、
ステージで繰り広げられてゆきます熱演のパフォーマンスが終わりますたびに、熱演直後のパフォーマーたちに向けまして、ただいま熱演のパフォーマンスの印象をその熱も冷めやらぬすぐに「え~~どーしました?!」と、代わる代わる思ったままの寸評をさしはさみまして疑義があれば呈するという、そこまでをパフォーマンスの一連とするといった趣向なのでございます。
出演するパフォーマーたちはそれを先刻承知で登場する方々ですから、中には誰もが度肝を抜くような粗削りの方が混じっておられたりするのでございます。
ところが蓋を開けてみますと、この粗削りの方々が爆笑を誘発する火薬庫であることが判明してゆくのでございます。
ちなみに、去年の「よろしくご笑覧ください」で、私が未だに忘れ得ないパフォーマンスはと言いますと「1人で風の谷のナウシカを最初から最後まで全部やるという恐るべき女がやってみせた、風の谷のナウシカ」でございます。
もちろん全部はやらせやしませんが、見ておりますと、この女は音楽も自分でやりはじめる。いや、勿論、やるといっても口です。BGMだって効果音だって臆面もなく口で入れてくる。
印象的な「ナウシカ幼児期の回想シーン」では、幼児期のナウシカも、オヤジも、連れ去られる小オームも、そしてあの小さい女の子の舌ったらずな歌も、とにかく一部始終を全部1人でやる。そしてどんな細部であれ、あの女は覚えていて、それを巧みに実演に変換してみせる。
巧みと言っても、かならずしも優れたパフォーマンスであると言っているわけではない。
ですが「あ!そうだった!そうだった」と、みんなが記憶の細部を確認するに十分な身振り手振りに変換して伝えてくる。
その動きの粗削りさが大胆すぎて、見れば見るほど心地よくなって、やがて観客は全員がどこかで笑い出し、笑い出したらもう止まらない。そこが凄い。いや、凄いと言っても出来上がりのレベルのことではない。芸のでき上がりの程度はといえば、たとえばプロの芸人と私という素人を両はじに置いて、あの女が、どちら側に近いかといえば圧倒的に私側に近い。近いというか、ほぼ隣ではないだろうかと思わせる演技レベルで。なのにそれでいて見る者を惹きつけてしまう恐るべきチカラをあの女は持っている。
けれど、あの身振り、手振り、口ぶりのどこに魅力があるのか、けんとうもつかない。
だが、見るほどに「こうなれば最初から最後まで端折らないで全編見せてくれまいか」と切り出したくなるほど、じつに中毒になる不思議なパフォーマンスなのです。
あのとき見せられた「実演、風の谷のナウシカ」の魅力は、たとえば人間が持つ計り知れないチカラです。
あんな程度の芸で人間は楽しめてしまうのかという驚きです。
しかし、だからと言ってあれだけのものは誰にでも出来るというものではない。だって、ちょっと気の利いた奴なら、すぐに動きが洗練されていくはずです。でも、あの女はそうではない。あの女の実演の動きは何処までも素朴、かつ、かなり適当と見せ、しかしその実、人間の魂に訴えかける強引さと確実さを兼ね備えていて、それが見る者の心を捕らえて離さない。この世にあんな結構なものがあるなんて、生まれて初めて見た。何処かであの女が実演ナウシカのワンマンショーをやるというのなら私は怖いもの見たさで何処へだって見に行くかもしれない。
人をしてそうまで前のめりにさせしむるほどに奇妙なものを、あの女はあの程度の動きで見せてくれたのです。
「アレだったら自分にもできるんじゃないのか」
見終わる頃、観客は全員「自分を信じ始め」「人間と生まれてきたことの果報」を感じて「明日からオレも頑張ろう」と人生に奮起するのです。
「よろしくご笑覧ください」という名のパフォーマンスイベントは、ぼくらの普段の受け身な心構えを打ち破り、あらぬ方向にあった可能性を信じさせるケッタイな笑いのボディーブローなのです。
「よろしくご笑覧ください」は笑かして笑かして、しかし見る者を圧倒せず、「オレもやれる」と、観客に生きる糧を与えてくれる、ここ以外、この世の何処にもない人類に貢献する爆笑イベントなのです。
さあ!
以上述べました「よろしくご笑覧ください」が今年も秋に京都で開催されます!
さあ!これは見た方がいい。
日時は9月30日、10月1日の2日間。場所は前回と変わらず京都。
チケット一般販売は本日8月21日12:30より発売開始!
チケットご希望の皆さんは、
以下よりお入りください!
https://suidoukyoudai.wixsite.com/yorosikugosyo-ran
それでは諸氏!本日も各自の持ち場で奮闘願います!解散!