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相棒セレクション 相棒8 スペシャル #01【再】

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『初めてのごあいさつ』

大泉 洋 | 2002. 9/26(THU) 00:02

水曜どうでしょうを6年間、愛して下さった皆様。

6年間とはいかないまでも愛して下さった皆様。

先週の放送で一目惚れしたけどもう終わっちまったという皆様。

今晩は。

大泉 洋でーございます。


このホームページに書き込みをさせて頂くのは初めてです。
今回6年間の放送に一度ピリオドを打つという事で、
初めて御挨拶させて頂いております。

只、何を書いてよいのか正直筆が進まないというのが今の私の心境です。

皆さんに何と言えばよいのか中々言葉は見つかりません。


私はこのページに今まで書き込みはしませんでしたが、読んではおりました。

皆さんのこの番組への感想は読ませて頂いてました。

そして時には涙が出るくらい感動する瞬間が有りました。

この番組に関して言えば、
ここに書き込まれる内容は、単なる番組の感想とは言えない。

皆さんの『思い』が伝わって来る事が何度もあったからです。


私は正直この仕事を誰かを勇気づける為にやってる訳では有りません。
北海道を元気にする為でもありません。

『自分のために』今までやってきた訳です。それが私の仕事だから。それが私が一番やりたい事だから、今まで続けてきたのです。

でも、そんな身勝手な私の仕事に、そしてあまりに身勝手な『私達の旅』に、

たくさんの人が『笑った』、『元気が出た』、『勇気づけられた』と、

このページには書き込んであったのです。


そんな事思ってもみませんでした。


僕達の旅が少しでも人を幸せにしてると知った時、胸がグンと締め付けられたのを覚えています。

今回の最終回に寄せても、たくさんの人のどうでしょうへの『思い』が伝わってきました。

何でしょう不思議なんですが、この番組って僕らがやってる番組なんだけど、もう既に僕らの手を離れちゃって皆さんのものになってしまったみたいな気がたまにします。
だからこそもう勝手には終わらせられなかったんでしょうね。


本当に何と言ってよいのか困ります。何だか私らしくない文章になってしまいました。


これではいけない!


ただですよ! 


君たちはたいそうこの番組のファンか知らんけどーだ、

一番のファンはこの僕だったんじゃないのか!?

君たちは本当の、放送一回目から一回も欠かさず見てたのか?

僕は見てましたよ!一回目からずっと、一度も欠かさずにーだ!

えー、どうだ!君たちとは番組への思い入れが違うんだよ。

君たちはどうせあれだろ、ベトナムの最後の数10キロで僕と藤村さんが泣いてるのを見て、
『何だ気持ち悪い』くらいに思ってるんだろぉ?

君たちにはわかんないんだ!僕らの気持ちなんて!分かるはずがない!!

あれは6年間、ミスターの後ろを走ったものにしか分からないんだ!

止まんねーんだからどうしたって。

追いつかねーんだから何ぼ走たって。

6年前はじめて旅に出た時からずっとそれは変わらなかったんだもん。

ミスターが先頭歩いて、その後ろを俺が追っかけて、その後ろでうれしーがカメラ持って、最後に藤村さんが爆笑しながら歩いてきて、それでやってきたんだから。

あの時他の3人は何考えてたのかなー。

さすがに僕は色々思い出してたなー。

そしてカブに乗りながら『ずっと俺はこの人の後ろを見てたなー』って思ったんだよ。

そしたら藤村さんが言ったんだ。


『ずっと見てるぞ』って


その言葉は重かったんだなー。

確かに見てたんだこの人達。6年間ずっと僕らを見続けた人達なんだよ。

そう思ったらもうダメさ。涙とまんねーの情けない。


『とにかく何があっても、どんなに辛くても、バカバカしく』

それがどうでしょうだったように思う。

でもホーチミンに着いた時ばかりはそうはいかなかったみたい。


『起きた事をそのまま見せる』


それもどうでしょうだからあーいうラストもありかと思うけど、

こればかりは何度も見はしないんじゃないだろうか?


あまりに長くなって申し訳ありません。

とにかく私はこの番組に出会えて幸せでした。

どうでしょうは『妖怪人間』みたいな番組だと思うのね。

偶然できちゃった。色々な化学変化が重なって偶然とんでもないものが出来ちゃったのよ。

そう思う。

誰が欠けてもできなかった。

でもちょっと疲れちゃった。そんで『早く人間になりたい!』なんて言って少しだけ違う事をしてみようかな…と。

でも大丈夫。必ずみなさんの前に『妖怪人間』達は戻って来るよ。

その時まで暖かくべム(俺)ベラ(ミスター)ベロ(うれしー)こなきじじー(あいつ)

を見守ってやって下さい。

そしていつか行く僕達の新しい旅を、また見て笑って下さい。

パスポートはまだ藤村さんに預けてあります。

6年間本当にありがとう。   またね。

2002年  9月25日     大泉 洋