「1/6の夢旅人2002」に隠された秘密

藤村 | 2003. 1/28(TUE) 12:06


 3月5日、遂に「水曜どうでしょうエンディング・テーマ」樋口了一さんの「1/6の夢旅人2002」がCD発売される。

 先日、その樋口了一さんと5年ぶりでお会いした。

 CDに挿入される「エクストラ映像」の撮影のためだ。

 いや、こういうものに疎いのでよく知らんかったんだけど、最近のCDにはあれですってね、「映像」が入ってるモンもあるんですってね。

 「なに?映像?オレのCDコンポに画面なんかねぇぞ。テレビにつなぐんか!」
 「DVDに入れるんだべや。カタチが一緒だべさ」

 違うんですね。「パソコン」に入れて見るものなんですね。それを「エクストラCD」と言うんですって。ねぇ、奥さん、知りませんでしたよねぇ。

 まぁその「映像」をだ、今回撮影したわけです。どんな映像か気になりますね。

 普通は、こういう場合、カッコイイ「プロモーションビデオ」やら「レコーディング風景」やらを入れちゃうらしいんですが、このCDの場合、全く違います。

 撮影場所は、HTBから徒歩1分の「とある公園」。

 そこにですね、畳とコタツを持ち込みまして・・・まぁ、樋口さんを囲んで、ミスター、大泉さん、それに・・・ね、そうなると黙ってもいられないので私も加わりまして、「思う存分トークを繰り広げる」という「まるっきりどうでしょうな」映像を撮ったわけでございます。

 「イイ曲」と「バラエティー番組」が同時に楽しめるCDとでもいいますか。これまた業界驚愕の新手法。いやぁ「どうでしょうさん」はCDでも楽しませるもんなぁ。そこらへん貪欲だもの。

 それにしても「1/6の夢旅人2002」。こいつはホントにいい曲です。長年親しまれてきた「旧1/6の夢旅人」は、著作権の問題が複雑に絡み合って、残念ながら使用できなくなってしまったんですが、そんな問題を吹っ飛ばすぐらいの「力強さ」と「希望」に満ちた「明るい曲」です。

 樋口さんから曲が届いた時、それを聞いた時の「うれしさ」ったらなかったです。

 次々と、ホントに次々と、曲に合わせて過去の映像がパッパッと頭に浮かんできて、「こいつはいいエンディングが出来るぞ」って瞬時に思ったもの。

 樋口さんにも、「ベトナム」を全話送って見てもらいまして、そしたら「見ました!感動しました!まるでこの曲のプロモーションビデオみたいで、逆に感謝しています」そんな感想をもらいました。いや、曲を作った本人に言われると、それはね本当にうれしいものです。

 うれしいんですけど・・・ちょっと、なんていうか、あの「感動のベトナムのエンディングシーン」にはね、樋口さんだけが知っていた「隠された秘密」がありまして・・・それを知った時の私のショックは、逆に大きかったですね。

 あの曲が届いた時。

 その「異変」に最初に気付いたのは、音効の工藤ちゃんだった。

 「なんか、ちょっと、変わったアレンジしてるね、これ」
 「なにがよ」
 「なんか、シーシーだか、チーチーだか・・・音、聞こえない?」
 「あぁ・・・聞こえる聞こえる」

 確かに樋口さんから送られてきたテープには、途中、シンセサイザーの高音のような、パーカッションのような、ちょっと変わった音が「ミックス」されていた。

 「こういう・・・アレンジなんじゃないの?」
 「・・・だよね」

 工藤ちゃんとふたり真剣に悩んだ挙句、「これが樋口了一の音の世界」みたいな結論に達して、我々はその音源をそのまま放送に使った。

 ところが、放送が終わってしばらく経った後、私は「驚愕の事実」を知った。

 「あの曲、ヘンな音が入ってなかった?」
 「シーシーとかいうやつ?」
 「あれ、インコの鳴き声だって」

 「は?・・・」

 「樋口さんが飼ってるインコの声が入っちゃったんだって」

 「は、入っちゃった・・・って・・・」

 にわかには信じられない事態だった。

 しかし、そう言われてあらためてテープを聞くと、それはまぎれもなく「インコの鳴き声」だった。セキセイインコ系のカン高い鳴き声だった。

 「そうか。だから樋口さん、札幌で再レコーディングします!なんて言ってたのか。そりゃインコの声が入ったままCDを出すわけにいかんもんな」

 それにしても・・・それにしてもだ!一体どうやったら家で飼ってるインコの声が入るのだ!

 だって、レコーディングといえば、スタジオの、防音のビシッとしたブースに入って、ヘッドフォンかなんか耳にあてて、カッコよく歌いながらやるもんでしょ。

 それが、なんだろう、この段階で想像し得る「樋口了一のレコーディングスタイル」というのは、自宅の、その・・・自分の部屋にマイクスタンドを立てて、おもむろにラジカセを持ち出して、流れる出るカラオケに合わせて歌いながら「そいつをそのまま録っちゃう」みたいな、そんな「ラフなレコーディングスタイル」が思いつく。

 しかし、SMAPにも曲を提供している「アーティスト・樋口了一」が、まさかそんな、20年前にウチの妹がやっていたようなレコーディング方法を取っているとは思えなかった。思えなかったが、実際「インコの声が入っちゃった」ってんだから、それに近い方法だったに違いない。

 まぁそのへんの「樋口氏の弁明」も、今回の「エクストラ映像」のトークに出てくる。

 「それにしてもあなた、よくそんな曲を送ったな!確認しなさいよ!そのぐらい!」

 大泉さんに叱責されて、樋口さんは爆笑しながらこう言っていた。

 
 「まぁ、この番組に出てる人も、曲を作ったアーティストも、そこらへんがぬけてるんですよ。一緒なんです。いいかげんなんですよね」

 素晴らしい!「イイ曲」を本気で作りながらも、肝心なところでツメが甘い。「こんな人」だからこそ、ビシッとハマった「どうでしょうのテーマソング」は出来上がったのだ。

 樋口さん、心から「ありがとう」と言います。

 ※ちなみに、3月5日発売のCDにはインコは入ってませんが、DVD版には「1/6の夢旅人2002」(インコバージョン)が使われています。耳を澄ましてインコの美声をお聞きください。

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