旅が終わりました。

　そして、最後にゴール地点を変えちゃいました。申し訳ない。

　今回の旅。一応おおまかなルート、タイムスケジュールを組んでおりました。宿泊地もおよその目星はつけておきました。当然温泉好きの我々、各地の名湯を満喫したいと考えておりました。私も鬼ではありません。一日たっぷりカブの振動にやられまくったお二人に、ゆっくりと疲れを癒していただくことは、大事なことです。

　さて、前半戦を山口県の萩で終えて、後半戦のスケジュールを立てている時、僕はふと大事なことに気づきました。
「佐多岬ってどんなとこだ？」
「るるぶ」をめくってみると、魅力的なものが何もない。
「おい、嬉野くん。佐多岬って何もないぞ」
「そりゃどうだ、藤村くん。」
「やめるか？行くの・・・」
「やめるって、どういうことだい？」
「変えるか、ゴールを・・・」
「いやいや、前半戦もすっかりやっちゃた後で、今更ゴールは変えられんだろう・・・」
「まあ、そうだけど・・・」
言いながら僕の目に、「日本一の浮世風呂」と書かれたえらい豪勢な風呂の写真が飛び込んできた。
「おい！嬉野くん！これどうだ！ここいいぞ」
「おお！いいなぁ」
写真には「指宿白水館」という宿の名前が書いてある。
「・・・指宿にするか・・・ゴール・・・。」
「・・・いいんじゃないか？それもまた・・・。」

結局我々は、二人には内緒で、その場でさっそく「指宿白水館」に予約電話を入れてしまっていたのです。

さらに、地図を見ていると「例のフェリー」まで発見し、うしろめたさの微塵も感じないまま、
「おおっ！嬉野くんフェリーもあるぞ！こりゃ予定よりすっかり早く浮世風呂だ！」
「いいなぁ。藤村くん。完璧じゃないかぁ」

なにが完璧なんだか、よく考えないまま僕は、早くも時刻表をめくっているのでした。

　さて、まだまだ話したいこともありますが、また後で。