「写真集2」写真にまつわるお話〜その2〜

藤村 | 2003/07/10(Thu) 11:46:18


 なかなか忙しくてアップできませんでしたが、「写真集2」をより一層楽しんでいただくための「写真にまつわるお話〜その2〜」書きましたよ。ヒマを見つけては、パラパラと写真をめくり、思い起こすことがあれば、地道に書き溜めておりました。

 じゃ、みなさん、お手元に写真集をお持ちになり、私といっしょに思い出を紐解いていきましょうか。

 あぁ?なんだ?「ヒゲといっしょじゃヤダ!」ってか?「洋ちゃんがいい」ってか?

 うるせぇ!とっとと写真集持って来い!張り倒すぞ。

 【29】

 マレーシア・ブンブンブラウの前で撮った一枚ですね。これは「写真集1」のオープニングを飾った写真ですよ。このお2人の表情。こんな顔はね、作れったって作れないです。男4人、他には誰もいないジャングルの中だからこそ、自然に出て来た表情です。疲れ、不安、不信、でも少しばかりの充足感・・・そんなものが、ないまぜになった二人の顔。「水曜どうでしょう」を象徴する写真として、雑誌や新聞ほか広報用に何度も使った写真でございます。

 私は今でも大好きな一枚ですね。

 

 【34】【38】

 個人的にとても好きな写真、というか企画だね。ミスターの表情がいい。楽しそうなんだもの。
 この日は暑くてね。開墾から種まきまで6時間以上かかったのかな。全部、あの3人がやったんですよ。「テレビだから、スタッフが手伝うんでしょ?」なんて大間違いです。私と嬉野くんが手伝うわけないでしょ。【34】の写真は、開墾が終った時の記念写真。3人のお顔をご覧なさい。充実感に溢れてますよ。労働の楽しさ。私にとっての「癒しの一枚」です。

 【64】

 アメリカ横断Tシャツ。もはや「知る人ぞ知る」だね。2000枚ぐらいしか作らなかったんじゃないかな。一枚一枚に通し番号が付いてるんですよ。ミスターが1番で大泉さんが2番。今じゃ「2千枚しか作らない」なんて言ったら、「ナメてんのか!」と一揆が起こりますけど、当時はこんな枚数しか作らなかったんですね。

 【69】

 枠撮りの風景。こじんまりとしてますでしょう。出演者2人とカメラマン、音声マン(この日は2人いるけど普段は1人)。スタイリスト小松に私と、あとは写真撮ってる嬉野くん。
 でも、このくらいの人数の方がのんびりとしてていいんですよ。撮影班の連中は、こんなふうに天気がいいと待ち時間の間にサッカーやったりしてます。いいんです。それぐらい心に余裕がないといけません。でも、それでいて「やるぞ」って一声かければビシッと統率がとれる。仕事するには丁度いい人数なんです。
 それにしてもこの日は、やたらと嬉野先生、写真を撮ってますなぁ。天気もいいし、なんか気持ち良かったんでしょう。先生はサッカーなんかしないから、そのかわりに写真撮って遊んでたんでしょう。結構、結構。

 この写真がなければ、こんな普通の1日のことなんか忘れてしまいますもん。でも、この写真のおかげで、この日は、なんか幸せな1日だったような気がしますね。

 【87】

 北欧。ご存知「ムンクさん」のドラマ「フィヨルドの恋人」の第1話。まさにその本番中にミスターが撮った1枚ですね。
 ドラマでは湖に向かってシャッターを切ったんですけど、実際の写真には、私と嬉野くんが写っちゃってます。そんなことは意図してなかったんだけど、コレはまさに「ディレクター2人が仕事中」の貴重な1枚。いやぁ、ほんとにこの2人だけで番組作ってるんですねぇ。まるで他人事のように改めて感じました。
 ちなみに私が付けてるメガネみたいなもの、あれはモニターになっておりまして、嬉野くんが撮ってるカメラの映像が映ってるんです。これで私も画を見ながら指示をできるわけです。便利でしょう。でもねぇ、ずっと見てると酔うんです。だからわたしゃめったに付けない。それに、ハタから見たら「なにやってんの?」って感じだしな。

 【88】

 いやぁ笑ってますなぁ。どえらい爆笑してます。この人はこうやって爆笑してるんですね。何を撮ってるんでしょう。放送では使ってないかもしれませんね。大泉さん曰く「キミは、ほんとにあのフーセンが好きだったもんねぇ」・・・確かに。多分この時も、あまり乗り気じゃない大泉さんに、無理やりムンクさん持たせて、なにか「趣味的」に撮ってたんでしょう。もう思い出せません。

 【94】

 忘れもしませんね。あの夜のことは。「先にメシを食わせろ」というバカ2人のおかげで、ドイツの道端で野宿をするハメになりました。ここでは放送されなかったエピソードをお話ししましょうね。

 朝、パリを出発して1000キロ近く走ったのかな。あの時は、もう全員が疲れ果てておりました。放送じゃ、お城のレストランを出て、しばらく宿を探し、午前0時の時報とともに私が「おい!このバカ野郎!よく聞け!」と大泉洋を罵倒する場面から始まってますが、実は、その間にも色々とあったんです。でも、嬉野先生も朦朧として後半はカメラなんか回す気力もなかった。出演陣もぐったり。運転する私は「とにかくキャンプ地を探さなければ!」という一心でハンドルを握っていた。元来、「アウトドアズマン」を自認する私は、ぐったりとする3人に向かって、「ここはオレの出番だ」とばかり「キャンプ設営の心得」などを声高らかに説明していたのでありました。

 「キャンプ場以外で野宿する場合、人様の迷惑にならぬ場所を選ぶこと!わかったな!」
 「・・・」
 「すなわち!人目につかぬ場所でひっそりとテントを張ること!聞いてるか!」
 「・・・」
 「しかしながら!せっかくなので景色の良い場所を選ぶこと!」

 「しかし、藤村さん・・・」

 大泉洋が、息巻く私に向かって冷静に言った。

 「なんだ?」

 「こんな夜中に景色もくそも・・・」

 「んぐっ・・・」

 確かに大泉洋の指摘は正しかった。今はとにかくテントを張れるちょっとした空き地さえ見つければそれでよかった。しかし、私も疲れていたのだろう。大泉洋に対し、私は激しく叱責した。

 「バカ野郎ッ!おまえは黙ってろ!この三流芸人!」

 そう言い放ち、私はカメラを抱えたままピクリともしない嬉野くんに向かって、

 「ホラ!あんたもしっかり回りを見て探せ!とにかく景色のいい場所だ!」

 「もう・・・いいよ、おれはどこだって・・・」

 「バカ野郎!探せッ!」

 「見えないって・・・」

 「うるさい!」

 静まり返る車内で、私はひとり激高し、「いい景色はないか」「いいキャンプ地はないか」暗闇のドイツの森に向かってうわ言のように唱えていたのでありました。

 そして見つけたのが、あの場所。

 私は車を止め、ひとり外に出ると、暗闇の中で足元に感じる良い具合の草地の感触を確認し、「よし。いい場所だ。いい場所だ」私は満足げにうなずいたのであります。そして車に向かって「カメラを回せ!バカ野郎!」嬉野くんを一喝したのであります。

 フラフラとした足取りで外へ出た嬉野くんは、照明の準備すらせず、真っ暗闇の中で、とにかく録画ボタンを押しました。それを確認した私は、三流芸人に向かい、例のセリフを言ったのです。

 「おい!このバカ野郎!よく聞け!いいか・・・」

 「ここを、キャンプ地とする!」

 【94】の写真は、翌朝、嬉野くんが、「真のアウトドアズマン」の威風堂々たる姿を写し取った珠玉の1枚であるのです。


 今回はここまで。またヒマを見つけて「写真にまつわるお話」をしていきましょう。

 「いいよもう。あんた自分の話しかしないんだもん」

 うるさい!

 「洋ちゃんの・・・」

 知るか!とっとと写真集しまって寝ろ!

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