コスタリカ編、3週目まで終了しました。
1週目はともかく、2週目・3週目と進むうち、「ちょっといつもと違うかな・・・」と感じている方、いらっしゃるのではないでしょうか。
確かにちょっと違うんです。
「ケツァールとかいう世界一美しい鳥の写真を撮る!」という目的に、「どうでしょうさん」にしては、まっすぐ進んでるんです。
そうは言っても、勇んで乗り込んだ「コルコバード」には「ケツァールなんかいねぇ」とアッサリ言われる、相変わらずの下調べの甘さ。
確かに甘かったんですな。
「ケツァールという鳥が、コスタリカにいる」と聞いて、「コスタリカにゃ、ケツァールがどこにでもいる」と理解したんですなぁ。私も嬉野くんも。
だから、
「ケツァールはとりあえずいると・・・あとは、嬉野くん、宿だ。ブンブンみてぇなのはもうヤダな」
「当たり前じゃないか!」
「ここはどうだ・・・アメリカ人が経営するジャングル・ロッジ・・・料金は高めだが、食事も美味くてオススメ・・・」
「いいじゃぁないかぁ!」
「コルコバード国立公園ってとこだ。・・・おっスゲェぞ!飛行機とボートに乗り継がないと行けねぇんだと!道がないんだと!」
「盛り上がるじゃないかぁ!」
「よーし!行くぞぉ、この野郎」
「ケツァールはいるんかな?」
「いるだろう・・・とりあえずケツァールのことは書いてねぇけど・・・いるだろう。だってコスタリカにはいるんだろ?」
恐ろしいかな、この程度の会話で、行き先というのは決まってしまうものなのですね。
しかし今回。「清水ひろしくん」という元HTBのディレクターが、今なぜかコスタリカにいて、協力をお願いしました。
「ならばケツァールのことを、もっと調べてもらえばよかろう」
と思うでしょ。でもこっちは頭っから「コスタリカに行けば、とりあえずケツァールはいる」と思い込んでるから、
「まぁケツァールはいいとして、メシはうまいの?」
「いい宿は、あるかい?」
「それより、いやぁ久しぶりだねぇ!どうだい元気かい?」
ぐらいのことしか事前に連絡してないもんだから、結局のところ進展など望めないわけです。
しかし、コルコバードのジャングルを歩き回るうち、大泉さんは、あのバカでかいカメラを使いこなすようになってきました。
こっちは、わりとシャレと見栄えで、
「うはははは!でっけぇカメラ!大泉さん、こんなん持ってジャングル歩くってか!これで撮るってか!鳥を?うはははは!1時間だ。1時間で終わるぞこのカメラ。だからホラ、ミスターがオートフォーカスの望遠のカメラ持ってたじゃんか。あれ借りて写すことになるんじゃないの?こんな重いもんずっと持ってるわけねぇじゃんあいつが」
なんてこと言ってたわけです。
でも、みなさんご承知の通り、ミスターの荷物は、どっか行っちゃいました。そのオートフォーカスも当然いっしょに。
だから、ということもあったけれど、大泉さんは、ずっとあのカメラで撮影し続けました。
おかげで「絞りだ」「シャッタースピードだ」なんてこと、ちっとも知らなかったやつが、それなりに写真を撮るようになっちゃったんです。
見ましたか?あのトンボ。
飛び回ってるんですよ!あいつは!おまけに隣じゃヒゲが爆笑してんですよ!
なのに出来上がった写真を見てびっくり!ちゃんとあの小さいトンボにびたっとピントが合ってるんです。
見ましたか?飛ぶ瞬間のタカ!
バズーカで初めてまともな写真を撮りました。
見ましたか?ペリカン!
くっきり写ってたでしょ!
あのカメラは6×7というデッカいフイルムを使ってるもんだから、あんだけ遠くの小っちぇえものでも、引き伸ばすとキレイなんです。
で、本人には、徐々に「自信」と「楽しさ」がわいてきたんでしょう。
「こりゃぁその世界一美しい鳥ってやつを撮ってみたいなぁ」
と、いつしか、本気に思い始めても不思議じゃない。
だから、コルコバードのジャングルを歩きながら、こっちも
「うーん、確かに・・・撮ったら、スゴイよなぁ・・・でも、どこにでもいると思ったら、そうじゃねえんだもんなぁ・・・こりゃぁなんとかしねぇとなぁ・・・」
なんてなことを、今さらながらに思い始めていたわけです。
だからこのあと、我々は、もっと真剣に「目的に向かう」ことになります。
それほど「ケツァール」という生き物。「写真を撮る」という行為が、興奮するものであったのです。
「どうでしょうさんの色」というものが、あるとすれば、今回の色は、だから多少違うように映っているのかもしれません。
しかし、「どうでしょう」をあなどるな。
最後まで見てから、「今回は違う」のかどうか、判断した方がいいと思うぞ。
「ケツァール」・・・
本当に、妖精のようで、鳥には見えないらしい。
堂々として、人間を恐れず、意外と近距離で見ることができるらしい。
見る者は、一瞬言葉を失うらしい・・・。
見なさい!最後まで見なさい!今回の「コスタリカ編」絶対に満足するはずです。