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科捜研の女 #04【再】

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5月2日放送 「中米・コスタリカで幻の鳥を激写する!」第3夜

藤村 | 2001. 5/ 3(THU) 21:27


 コスタリカ編、3週目まで終了しました。

 1週目はともかく、2週目・3週目と進むうち、「ちょっといつもと違うかな・・・」と感じている方、いらっしゃるのではないでしょうか。

 確かにちょっと違うんです。

 「ケツァールとかいう世界一美しい鳥の写真を撮る!」という目的に、「どうでしょうさん」にしては、まっすぐ進んでるんです。

 そうは言っても、勇んで乗り込んだ「コルコバード」には「ケツァールなんかいねぇ」とアッサリ言われる、相変わらずの下調べの甘さ。

 確かに甘かったんですな。

 「ケツァールという鳥が、コスタリカにいる」と聞いて、「コスタリカにゃ、ケツァールがどこにでもいる」と理解したんですなぁ。私も嬉野くんも。

 だから、

 「ケツァールはとりあえずいると・・・あとは、嬉野くん、宿だ。ブンブンみてぇなのはもうヤダな」

 「当たり前じゃないか!」

 「ここはどうだ・・・アメリカ人が経営するジャングル・ロッジ・・・料金は高めだが、食事も美味くてオススメ・・・」

 「いいじゃぁないかぁ!」

 「コルコバード国立公園ってとこだ。・・・おっスゲェぞ!飛行機とボートに乗り継がないと行けねぇんだと!道がないんだと!」

 「盛り上がるじゃないかぁ!」

 「よーし!行くぞぉ、この野郎」

 「ケツァールはいるんかな?」

 「いるだろう・・・とりあえずケツァールのことは書いてねぇけど・・・いるだろう。だってコスタリカにはいるんだろ?」

 恐ろしいかな、この程度の会話で、行き先というのは決まってしまうものなのですね。

 
 しかし今回。「清水ひろしくん」という元HTBのディレクターが、今なぜかコスタリカにいて、協力をお願いしました。

 「ならばケツァールのことを、もっと調べてもらえばよかろう」

 と思うでしょ。でもこっちは頭っから「コスタリカに行けば、とりあえずケツァールはいる」と思い込んでるから、

 「まぁケツァールはいいとして、メシはうまいの?」

 「いい宿は、あるかい?」

 「それより、いやぁ久しぶりだねぇ!どうだい元気かい?」

 ぐらいのことしか事前に連絡してないもんだから、結局のところ進展など望めないわけです。

 
 しかし、コルコバードのジャングルを歩き回るうち、大泉さんは、あのバカでかいカメラを使いこなすようになってきました。

 こっちは、わりとシャレと見栄えで、

 「うはははは!でっけぇカメラ!大泉さん、こんなん持ってジャングル歩くってか!これで撮るってか!鳥を?うはははは!1時間だ。1時間で終わるぞこのカメラ。だからホラ、ミスターがオートフォーカスの望遠のカメラ持ってたじゃんか。あれ借りて写すことになるんじゃないの?こんな重いもんずっと持ってるわけねぇじゃんあいつが」

 なんてこと言ってたわけです。

 でも、みなさんご承知の通り、ミスターの荷物は、どっか行っちゃいました。そのオートフォーカスも当然いっしょに。

 だから、ということもあったけれど、大泉さんは、ずっとあのカメラで撮影し続けました。

 おかげで「絞りだ」「シャッタースピードだ」なんてこと、ちっとも知らなかったやつが、それなりに写真を撮るようになっちゃったんです。

 見ましたか?あのトンボ。

 飛び回ってるんですよ!あいつは!おまけに隣じゃヒゲが爆笑してんですよ!

 なのに出来上がった写真を見てびっくり!ちゃんとあの小さいトンボにびたっとピントが合ってるんです。

 見ましたか?飛ぶ瞬間のタカ!

 バズーカで初めてまともな写真を撮りました。

 見ましたか?ペリカン!

 くっきり写ってたでしょ!

 
 あのカメラは6×7というデッカいフイルムを使ってるもんだから、あんだけ遠くの小っちぇえものでも、引き伸ばすとキレイなんです。

 
 で、本人には、徐々に「自信」と「楽しさ」がわいてきたんでしょう。

 「こりゃぁその世界一美しい鳥ってやつを撮ってみたいなぁ」

 と、いつしか、本気に思い始めても不思議じゃない。

 だから、コルコバードのジャングルを歩きながら、こっちも

 「うーん、確かに・・・撮ったら、スゴイよなぁ・・・でも、どこにでもいると思ったら、そうじゃねえんだもんなぁ・・・こりゃぁなんとかしねぇとなぁ・・・」

 なんてなことを、今さらながらに思い始めていたわけです。

 だからこのあと、我々は、もっと真剣に「目的に向かう」ことになります。

 それほど「ケツァール」という生き物。「写真を撮る」という行為が、興奮するものであったのです。

 「どうでしょうさんの色」というものが、あるとすれば、今回の色は、だから多少違うように映っているのかもしれません。

 しかし、「どうでしょう」をあなどるな。

 最後まで見てから、「今回は違う」のかどうか、判断した方がいいと思うぞ。

 「ケツァール」・・・

 本当に、妖精のようで、鳥には見えないらしい。

 堂々として、人間を恐れず、意外と近距離で見ることができるらしい。

 見る者は、一瞬言葉を失うらしい・・・。


 見なさい!最後まで見なさい!今回の「コスタリカ編」絶対に満足するはずです。