世の中、甘い物好きが意外に多いのか、
「しろくま」をどこで見つけただぁ、友達と対決をしただぁ、と
連日、甘い物好きが集まって、甘い物関連の打ち明け話で掲示板は賑わっているのである。
中には、藤村くんに対して新手の甘い物情報などをこっそり耳打ちする者まで出て来て、ミスターにとっては、迷惑なことしきりである。
「いえ、私は、たんに甘い物好きの藤村さんに食べていただきたいと思って…。」
なんつって…。
そういう人に限って寝言のようなことをいいだすもんですよ。
ですがね…。
ちょっとお考えになってはいかがですか…。
藤村くんがですよ。
あなたが提供した情報に、なんかの拍子に乗っかっちゃって食ったとするでしょう。
それでもって、
「うめぇなぁ!」
なんて反応を彼に与えでもしたらですよ、
なんかの企画の時にテレビ画面にその物が登場することが充分考えられるわけですよ。
そうしたら当然ミスターが真っ先に、つきあいで食わされることになるわけでしょう!
わかります?
だって、藤村くんがひとりで「うめぇ。うめぇ。」つって食ったって企画になんないでしょう。
そんなものあなたねぇ、めずらしいだけですよ。テレビの企画として。
だからね、ようく考えてから、掲示板にのっけたほうが良いですよ。
そういう危険な情報は。
まぁ、ミスターも因果なもので、
あれ、あの人だからあそこまで面白くなるってことあるわけなんですよ。
あの人でなきゃ、あそこまで面白くはならない。
おそらく、大泉さんに食わしてもダメですね。
さして、盛り上がりを見せない。
第一あの人、最期まで食わないよ。多分。
非常に物事に対してネガティブな面のあるひとですから。
「これ、もう、やだぁ~」
とか、なんとかおっしゃって最後まで食わない。
やる気の問題と言うか、企画に対する姿勢の問題と言いますかね、向き不向きと言いますか。
そこへいくとミスターなんて人は、理不尽な対決に追いこまれても敢然これに立ち向かいますから、あそこまでの盛り上がりを見せるわけですね。
だって、甘い物は藤村くんの得意分野であってミスターの得意分野ではないわけですよ。
つまりミスターは初めから利き腕を縛り上げられての戦いなわけです。
これほど理不尽な戦いはないですよ。
こらもう、ひとつ間違えば「いじめ」ですもん。
「そんなものを、公共の電波に乗せて何週もやっていいのか!」
「公序良俗に反するぞ!」
な、わけですよ。
でもね、分析しますにこの構図、
きわめて「西部劇」的な構図になってるわけですよ。
おおかた大福あたりの買占めか、あんこの鉱脈を掘り当てたことが原因で、一夜にして巨万の富を得て町を牛耳る悪党あたりが藤村くんですよ。
町から酒を一掃して、甘い物を主食にするよう法律を書き換えたりしてるわけですね。
そうしながら、地下で酒を売りさばいて莫大な利ざやをかせいだりもしてるわけです。
ひげなんか生やして見てくれからしてこれ以上ない悪党なわけです。
悪党がいればどうしても欲しくなるのが「かたき役」でしょう。
ご存知正義の味方ですよ。
これはもう、皆様お待ちかねのミスターですね。
正義の味方は、だいたいにして二枚目でなければいけないわけです。
だいいち、婦女子が喜ばない。
婦女子が喜ばなければいまいち盛り上がりに欠けるわけです。
そこへ行くとミスターは良い具合の二枚目なわけです。
大方の異論もないはずなわけです。
さて、不幸な町に正義の味方が乗り込めば、
これはもう善良なる市民の間で大人気になるのは請け合いですね。
おまけに、二枚目ときているから、果たして婦女子が群がるわけです。
キャーキャー言うわけです。
面白くないのは町を牛耳る悪党でしょう。
町の顔役は一人で充分なわけです。
プラス1は余分なのですよ。
邪魔なものは跡形もなく包囲殲滅(ほういせんめつ)するのが悪党の身上なわけです。
ドイツ参謀本部もそういう考えなわけです。このさい関係ないけど。
「ひと思いに粉砕してくれようぞ!」
なぁんて、時代劇っぽく言ってのけるわけです。悪党は。
かくして、正義の味方は悪党に決闘を申し込まれるのわけですね。
さぁて、ここからがポイントです。
ここからの状況分析を間違うと痛い目にあうわけです。
正義の味方はあっさり勝ってはいけないわけです。
ここ、ポイント。
加えて、二枚目は痛めつけられなければならないわけです。
だからと言って、弱っちくてはこれはいけないわけです。
本来は強いのである。というスタンスです。
えらい強いのである。というスタンスですよ。
でも、なんらかの理由で本領が発揮できず、苦戦を強いられる。という立場を堅持してるわけです。
そういうのが、好ましい正義の味方のあるべき立場ですね。
さあ、ここで悪党の出番です。
卑怯な手段で正義の味方をボコスコにして、利き腕を縛り上げて、足かせなんかも嵌めたうえで、対決の場へと引きずり出すわけです。
そうして正義の味方のプライドを群集の面前でズタボロにしようとするわけです。
これでもう大向こうから、向こう正面は大喝采であること請け合いですよ。
でもって、負けたにしても、
世間の同情は正義の味方にそそがれるわけですよ。
ところが、うちの正義の味方ときたら驚くモンなァ。
一般大衆の面前で臆面もなく姑息な手段に出るモンなぁ。
悶え苦しむふりをして、いきなり「おやき」にかぶりつくもの。
でもって、悪党のしかけた罠だってことがそん時初めてわかっちゃうから、後は、あんこまみれの口開けて笑うしかないわけですよ。
でもって、勝てばいいけど負けちゃうわけだし。
まず、半分にわってね、みればさ、
「これはなんだと!」
世間に対して、悪党の非道さを糾弾もできたのに、いきなり、それも半分近くもかぶりついちゃっうもんだから、背負わなくてもいい、赤っ恥を一身に背負うはめになるわけです。
このあたり、ミスターの行動が突出してていいですね。
他の追随を許さないもの。
誰にもまねできないよ。
すばらしいねぇ。やっぱりミスターは。
最後までもつかな?
さあ、「対決列島」もそろそろ大詰め。
来週はいよいよ西日本突入。
最終決戦場、鹿児島はもうすぐ見えてこようとしておりますぞみなさん!
気を張って、次週を待て!