8月15日放送 「対決列島」第7夜 その2

藤村 | 2001. 8/22(WED) 20:50


 先週書いた裏話の続きを書いとこう。

 と思って書いたら、えらい長くなった。気合いれて読まんと疲れるぞ。

 さて、「どうでしょう」お馴染みのオープニング、あのなんともオマヌケな曲が流れて10秒後、

 「この番組はご覧のスポンサーの・・・・」なんてコメントのバックに、いくつかその週の映像が流れますね。

 「提供ベース」といわれるもので、たいがいの番組では、その週のウリ(見せ場ですな)の画が流れたりするわけですが、「どうでしょう」さんの場合、これが全く違う。

 「ウリ」なんてもの、まず見せない。

 それどころか、番組本編には、いっこも出ない映像を入れたりするわけですよ。

 例えば、この週の放送では、

 「襖を開けて奇襲の機会を伺う甘味ストーカーの後ろ姿」

 なんていう薄気味悪い映像が約2秒。

 これ、本編には出てきませんね。でも、録画したのを2回目に見た時なんかは、「なるほど。魔神は、あぁやって忍び込んでんのか」なんてなことも分かるわけです。

 そしてこの週、実は、もうひとつ注意しなければならない映像があります。

 旅館で、魔神が「対決種目」らしきものを差し出している場面。

 これは「長野対決」の場面であろうと思われるが、よく見ると魔神が差し出しているものは「おやき」ではない。

 透明のパックに、「ずんだ」を思わせる「鮮やかなグリーン」が見える。たぶん「団子」だろうと想像がつく。

 実はアレ、魔神が初めてお目にかかった「たいへん珍しい味」の「団子」だ。

「珍しい味」って、なんだと思う?

 教えて欲しい人!

 「ハイ!」

 よし!今、勢いよく手を挙げたキミ!名前は!

 「山田です!」

 山田くんは、「甘いもの大好き」だろう。

 「好きです!」

 よし!あとは!

 「わたしも!」

 はい!名前!

 「吉沢です!」

 はい!吉沢さんも合格!

 そして・・・そして・・・おい!ボケッと読んでる、おまえ!

 「あっ・・・」

 なにきょろきょろしてんだ。おまえだ。カメラ講座!

 「はい!」

 おまえは興味なしか?

 「たいして・・・」

 よし!帰れ!

 「あっ・・・」

 甘いもんに興味がないヤツは、帰れと言ってるんだ。

 「甘いものが好きな人しか読んじゃいけないという・・・」

 そうだ。

 「じゃぁ・・・」

 さいなら!

 さぁいいか!もうここから先は、甘いもの好きのキミたちしか読んでいないことを前提に話を進める。

 あれは・・・そうだ、「おやき」を買うのに立ち寄った長野県内のサービス・エリアでのことだ。

 目的の「おやき」を買い求め、さて車に戻ろうかとした、まさにその時!私の視線の先に「だんご」の文字が飛び込んできた!

 どうだ!興奮するだろう!みんなぁ!

 「しますぅ!」

 よく、スーパーの入り口あたりで「だんご」の暖簾たらして「量り売り」してる店が、イレギュラーで出てることあるじゃんかぁ。

 「ある!ある!」

 まさにあんな感じだ。んで、あれ見つけると、

 「もう買わずにはいられませんッ!」

 だろう?

 「・・・だから、キミたち太るんだぞ・・・」

 おっ!まだいたか・・・。山田くん!

 「ハイ!」

 つぶしてやれ!

 で、見つけたわけだ。イレギュラーの店を。当然、視察に行ったよ。5種類ぐらいあったかな、「つぶあん」「こしあん」「白あん」・・・まぁ、お馴染みのラインナップだ。

 「ですね」

 ところがだ!ちょっと「鮮やか過ぎるグリーンのあん」が目を引いた。色は「ずんだ」に似てるが、粒々感はない。

 「抹茶とか・・・」

 いや「抹茶」とは明らかに違う。もっと「毒々しいグリーン」だ。

 「なるほど・・・」

 で・・・聞いてみた。「これは、何だんごですか?」って。

 「聞きましたか・・・」

 聞いた。

 「なんて・・・言ったんですか」

 メロン・・・って言った。

 「め!めろんっ!」

 そうだ!メロンって言ったんだ!「メロンあん」だ!

 「メロンあん・・・」

 どうだ!聞いたことあるか!

 「ないっす!」

 吉沢さんは!

 「ありませんっ!」

 だろ!オレだって初めて聞いた!興奮したぞ。世紀の大発見だ!

 「すごい!」

 すかさず買った!買い占めた。4人の驚く顔が見たかったわけだ。なんたって「メロンあん」だ。

 そして、宿だ。

 興奮を隠しきれないオレは、さぁ見てくれってな感じで出したよ。

 「実は、わたくし・・・大変珍しいものを見つけました。」

 口調は冷静だ。

 「おやおや、なんですかぁ?」大泉さんだ。興味ありげだ。

 「こちらですっ!」出したぞ。

 「おーっ!だんごですよぉミスター!」

 「うわぁ!だんごかぁ!」

 「そうです・・・だんごです。でも・・・ただのだんごじゃないんです」

 「ただのだんごじゃない・・・」 

 「たいへん珍しい味のだんごなんです!」

 「そうですか。」

 「なんだと思います?」

 「さぁ・・・」

 「実は・・・メロンなんでーす!」

 「・・・。」

 「あれ?・・・珍しくないですか?」

 「知りませんけど・・・」

 どうだ?この反応!世紀の大発見に対してこのリアクションだ。

 「おかしいですね・・・」

 だろ?おれも、多少おかしいなぁ・・・とは思ったけど、話を進めた。

 「ちょっと味見してみますか?大泉さん」

 「では、ちょっと・・・」

 「・・・どうですか?」

 「うわっ!甘いですよ〜ミスタぁー!」

 「あぁ〜!マジかぁ〜」

 「いやいや、甘いのは当たり前。味は?メロンの味しますか?」

 「え?・・・わかりませんけど・・・」

 「・・・。」

 いよいよ、おれのトーンも下がり気味だ。

 「さぁ!ミスター!これで対決ですって!たいへんですよぉこれはぁ」

 早とちりだ。

 「いや・・・あの、対決は、これじゃないです」

 「は?」

 「対決は、別に買ってあるから」

 「じゃ・・・じゃぁ、これは・・・なんですか?」

 「ただ、見せたかっただけ」

 「あ・・・」

 「珍しくない?メロンだんごって」

 「知りませんけど・・・」

 いいか・・・山田くん、吉沢さん。甘いもんが嫌いな人間にとっちゃ、メロンだろうがなんだろうが「あんこ」は「あんこ」だ。興味なんかないんだ。

 「ひとり相撲だったと・・・」

 そうだ。それもこれまで経験がないほどの、大一番を取った。

 あとで、VTRを見た嬉野くんが言ってた。

 「いやぁ!藤村くん、おもしろかった!」

 「なにが・・・」

 「だって、キミばっかり興奮しちゃってさぁ、あとの3人はキョトンだもの。いやぁ・・・このおかしさ、テレビでわかるかなぁ・・・」

 わかるわけねぇだろ。文章にしたってこれだけの長さだ。ボツだ、こんなもん。

 さて、気を取り直して「宿」の話だ。

 我々が泊まった下呂温泉の「川上屋・花水亭」さん。

 良い宿だ!トップランク!

 食事が、とにかく美味い!忘れられないのが「飛騨牛のサイコロステーキ」。あんな美味いステーキ食ったことがない。

 嬉野くんは、特に感激していた。感激のあまり、わけのわからんことを言い出した。

 「大泉くん・・・ぼくは、ずいぶんとキミの世話をしたよね」

 「なんですか?なんですか?」

 「肉、まだ残ってるね」

 「なんですか、なんですか」

 「くれ」

 「なんですか!なんですか!」

 おれじゃないぞ。あの嬉野くんが、大泉さんを脅して肉を略奪しようとしたんだ。

 それほど美味かったということだ。それ以外の料理についても、「言わずもがな」だ。

 そして、とにかく「隅々まできれい」だった。

 さらに、仲居さんが素晴らしい。

 「つかずはなれず」。

 用事があるときは、すっと現れて、自然にスッといなくなる。お化けじゃないぞ。気分良いタイミングと言葉を残して、スッといなくなるということだ。

 逆に、ひどい目に会ったのが「試験に出る」で泊まった片山津温泉の「おばちゃん仲居ペア」だった。

 いつまでたっても、部屋から出てかねぇんだ。おかげで、サービス精神旺盛な大泉さんなんかは、延々「中小企業の部長」役を演じ続け、クソおもしろくもないダジャレを連発し、おばちゃん2名を笑死させるという、不毛な時間を過ごした。

 とにかく!仲居さんのお手本が、花水亭さんだ。で、料金は2万。ん〜残念!1万7千円だったら、文句なし「日本一の宿」だ。

 「水ようかん」も話しとこう。

 岐阜・中津川といえば「栗」を使ったお菓子が有名。今回の「水ようかん」も栗入り。買ったのは中津川インターに近い「川上屋」。でも私のおすすめは「すや」という店。高いけど、美味いぞ。「栗きんとん」なんか、季節限定だ。旬の時期しか売り出さない。ここらへんの不便さが、逆に興奮する。秋になると、名古屋に電話して、中津川まで買いに行ってもらうほどだ。

 で、その・・・名古屋だ。

 実は、実家に行こうなんて別に思ってなかった。やはり「ういろう一本食い」あたりでミスターを懲らしめてやろうぐらいに思っていたわけだ。

 でも「一本食い」は、「水ようかん」でやっちまう。

 「水ようかん」→「ういろう」の連続一本食いでは、ミスターも死んじゃうよ。

 そこで、まぁ、「小倉トースト」なんて珍しいし・・・ならば、実家の喫茶店でやりましょうか・・・ぐらいの軽い気持ちで、あの夜、急遽「明日行くから・・・」って電話したわけだ。

 大泉さんは、以前から「お母様にお会いして、ひとことあやまりたい!」とも言っておった。

 そりゃそうだ。「ろくろで回して、テッカテカにする」だの「カブの荷台にくくりつけて、鹿児島へ連れて行く」だの、いろいろ言いたい放題。

 「僕は、もう土下座から入るよ。ミスターも絶対、まずい!とか言っちゃだめだぞ」

 ただ、ウチのかぁちゃんは、送られたビデオを繰り返し見て、繰り返し爆笑しているという「大マニア」。

 そんでもって大泉さんの大ファン。ちっとも悪意なんか持っちゃいない。

 「会わせてあげたいなぁ・・・」という気持ちが、少なからずあったのも事実。

 で、名古屋へと向かったわけだ。

 店に着いてひとしきり挨拶も終わると、大泉さんは、いつの間に買ったのか

 「お母さん!つまらないものですが!」

 と、わざわざカメラの前で、お土産を手渡す抜け目のなさ。さすがだ。

 ただ、もう「なるべくサラッと放送を終らせたい」と思っていた私は、カットした。

 対決が終ると「海老フライカレー」を出してくれた。

 大事なお客様には「海老フライ」。名古屋の流儀だ。

 食いながら、かぁちゃんは、いらんことをベラベラしゃべりだした。

 ・・・結果は見ての通りだ。知られてはいけないものを、一番知られてはいけない人間たちに、知られてしまったわけだ。

 でも、放送しなけりゃ別にどうってことない。トークショーのネタには使われるだろうが、まぁ少人数だ。

 
 当然、カットするつもりでいた。

 「藤村くん・・・アレ、編集したかい?」

 嬉野くんだ。

 「あぁ・・・でもあそこはカットしたよ。やっぱ、あまりに内輪ウケだ。」

 「そうだねぇ・・・」

 で、VTRを見せた。

 「・・・なるほどねぇ」

 反応がイマイチだ。

 「一応・・・あそこも編集はしてみたんだけど・・・見るかい?」

 「そうだね」

 見せた。

 「はははは!おもしろいじゃない!」

 そう言われたらもうダメだ。

 「おもしろいじゃない!」って言葉は、自分にとって
「藤村くん、ハンサムじゃない!」って言われてるのと同じだ。

 「そうかい?ハンサムかい?じゃぁ、見せるか!」

 ってな具合で、いとも簡単に放送決定だ。その上、自分の似顔絵まで発注して「こう、切られるような感じで・・・そうそうそう!ほんで、吹き出しに、たーくんって書いて・・・そうだそうだ!」なんて細かな指示を与える始末。

 もう明らかに「他人ごと」だ。

 
 しかしだ・・・きのう始めて後悔した。

 「ちょっと!馬車ってなによ!」

 普段、番組を見ないカミさんが、PTAの会合でなにやら言われたらしいのだ。

 「えっ・・・」

 「ちょっと!笑われたじゃないの!」明らかにご立腹だ。

 「しょうがないでしょう・・・ハンサムって言われたんだから・・・」

 「なに言ってんの」


 最後に・・・ウチの実家の喫茶店。名前は「ラディッシュ」。名古屋の鶴舞公園の近くにあります。どうしても行ってみたいという方は、探してください。ただし、「小倉トースト」はメニューにありません。特別に作ってもらいました。


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