その問題は突然浮上した。年の瀬のことだった―。
舞台は東日本大震災で甚大な被害をうけた岩手県山田町。被災者の緊急雇用創出事業を請け負っていた旭川市のNPO法人「大雪りばぁねっと。」が去年12月、資金不足に陥り、事業を停止。雇用していたおよそ140人の被災者を全員解雇したのだ。
いったい何が起きたのか?
町がNPOに支払った事業費は、2年間で12億円。行方不明者の捜索活動や無料の入浴施設の建設・運営などに使われた一方で、高額な装備品の購入や施設の大規模な改修費などに巨額の〝復興支援の事業費〟が使われていることがわかった。
異常事態はなぜ見逃されたのか?
NPOの乱脈経理の実態とは?数々の証言をもとに、疑惑の真相に迫る。