
再エネ推進の裏で脅かされる、希少な生き物たちの営み。
メガソーラーと自然との共生は可能なのか。
日本のエネルギーの未来が、いま問われています。
北海道東部に広がる日本最大の湿原「釧路湿原」。その周辺で相次いでいるのが大規模な太陽光発電施設、メガソーラーの建設です。国策として推し進められる「再生可能エネルギー事業」。その中核を担う太陽光発電施設の数は、釧路市内に2012年には25カ所だけでしたが、現在は600カ所を超えるほどに増加しています。しかしその裏で、いま、希少な生き物たちの生息が脅かされています。
タンチョウの背後に迫る「開発の波」
オジロワシの巣がある場所が建設予定地となっていた
湿原の姿を失ったメガソーラーの建設予定地
これまで全国で700カ所以上の太陽光発電施設を手掛けてきた、大阪に本社を置く「日本エコロジー」。新たな建設予定地に定めたのは、釧路湿原周辺にある、国の天然記念物・オジロワシが巣を作る場所でした。さらに、環境省釧路湿原野生生物保護センターのすぐ近くでも新たなメガソーラーの建設を始めました。
しかし着工後、「希少生物の生息調査」が十分に行われていなかったことが明らかになります。現場は国の特別天然記念物であるタンチョウの親子が度々目撃されている場所だったのです。また、北海道からの許可を得ずに「違法開発」が行われていたことも判明します。全国で非難の声が高まりますが、開発自体を止めるルールはありません。
メガソーラーと自然との共生は可能なのでしょうか。北海道の湿原から、いま、日本のエネルギーの未来が問われています。
タンチョウのすぐ近くで連日行われた重機による工事
開発の現状をSNSで発信し続ける
猛禽類医学研究所・齊藤慶輔獣医師メガソーラーで変わりゆく湿原周辺の風景
出演者
- ナレーター
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小雪
1995年から女性ファッション誌「non-no」の専属モデルとして活動を始める。1998年、TVドラマ「恋はあせらず」で女優デビューし、「ケイゾク 映画 Beautiful Dreamer」(00/堤幸彦監督)で映画に初出演。2003 年にはエドワード・ズウィック監督、トム・クルーズ主演の「ラスト・サムライ」でハリウッドデビューを果たして話題になる。「嗤う伊右衛門」(04)や「ALWAYS 三丁目の夕日」(06)の演技は高く評価され、森田芳光監督の「わたし出すわ」(09)で単独初主演を務めた。その他、映画・CM、「スカイキャッスル」(24)「しあわせな結婚」(25)といったTVドラマに多数出演。レギュラー番組NHK Eテレ「小雪と発酵おばあちゃん」が放送中。
スタッフ
- 撮影
- 本田 海
- 編集
- 道垣内 大樹
- 美術
- 久我 直也
- ディレクター
- 高橋 海斗
- プロデューサー
- 及川 大地