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知床、悠久の半島(しま) >> 最後の秘境

空から見た知床半島と流氷

 知床とは、アイヌ語で「シリエトク」。地の果てを意味します。
 斜里町と羅臼町にまたがる知床は、1964年国立公園に指定されました。険しい断崖の海岸線と山々に阻まれ先端の知床岬 に至るまでの道はなく、公園全体の61%が特別保護区域です。 このため太古からの雄大な自然が今も残されています。かつて農地として開拓が行われた地域もありますが、知床の厳しい自然に夢破れています。この跡地はナショナルトラスト運動「しれとこ100平方メートル運動」によって自然が復元されつつあります。

シレトコスミレ
エゾノツガザクラ
シレトコスミレ
エゾノツガザクラ
イワギキョウ
キオン
イワギキョウ
キオン

 その自然に魅せられて年間200万人の観光客が訪れる秘境知床。森はミズナラやトドマツを中心に針広混交林を形成し、厳しい気象条件がハイマツなどの高山植物を低地で見せてくれます。夏の山には知床にしかないシレトコスミレが花畑を彩ります。
流氷とオジロワシ

 

 海や山の豊かな恵みが野生動物たちを育みます。 流氷がプランクトンを運び、これを餌とする魚たちがオジロワシやオオワシなどの絶滅危惧種を育てます。川にはサケやマスが遡り、森の中では昆虫などの小さな生き物からエゾシカ、ヒグマに至る大型動物まで生息し複雑な食物連鎖を形成しています。

流氷の使者、オオワシ

 また海岸線の険しい断崖は、海鳥たちの格好の繁殖場となっています。冬になると流氷に乗ってトドやアザラシなども集まってきます。氷に閉ざされた海の中にもクリオネや愛くるしいイボダンゴなどがいのちの輝きを見せてくれます。
  海から山まで、知床は生きた博物館そのものなのです。

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