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激論!どうする北海道

脱“消滅” 地方再生の一手とは

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パネリストの主な発言

【討論②】北海道の強みを活かす戦略とは

<“地方創生”で何が変わるか>

激論!どうする北海道

北海道の方の目線で見てどう見えるのか、それが外からの目線とどう違うのかということは、それは北海道の方でないと分からないこと。(北海道新幹線開業で)例えていうと、修学旅行が呼べませんかと。北海道にある色んな素晴らしいものを、どうやってストーリー性を持たせて、どうやってブランド性をあげていくか。北海道には無限の可能性があるのではないか。

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地方が一番地方のことを知っているわけだから、地方がしっかりとアイディアを出していく。きちんと戦略的に物事を組み立てて、地方の所得をあげられるようにやっていくのが、この地方創生の一面。1800の市区町村がある中で、所得が5番目の猿払村は出生率も高いわけで、そういう地方をあちこちに創る。

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東京都港区の課税所得は1267万円、年収でいうと1800万円ほど。そういう人たちが食べているものはどこからきているのか。北海道からだ。北海道の人たちは人が良すぎるから、まず日本から独立するんだと住民投票をやるということから、政府に要求を突きつけないと、状況はますますひどくなると思う。

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地方の方々がちゃんと考えられる素地を提供するのが大事。大事なのは地方の自主性、自立性を尊重することと、必ずしも期限を区切らないで、せいぜい3年とか4年とかの中で、地域の課題は何かということを整理しないと、やっつけ仕事にしかならない。こういうやり方では、お金のバラマキになってしまう。

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2回ほど(交付金の)申請機会があったが、うちの町は応募しなかった。やはり自分たちが何を考え、何をやりたいかが固まらないと。場当たり的なことをやると、交付金50%は持ち出しになり、借金も増えてくる。総合計画の焼き直しは簡単に出せる。それでは、本当に地方を見ているということにはならない。

<“観光”がもたらすものは>

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(外国人観光客は)2020年の東京オリンピック・パラリンピックまでは、ある程度の伸び率はイメージできる。北海道のホテルはまだまだ安い。やっと札幌市内の稼働率も上がって、1万円を超すホテルも出てきているが、もっと上げて、働く人の賃金に還元すべき。富裕層を集められる環境整備も非常に重要だ。

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企業がどういう風に労働者に還元していくかという意味では、色んな意味での生産性の向上は必要。外国人観光客が増え、少し慣らされていると思うが、日本のサービス産業の生産性の低さというのは反感が大きい。日本人は有休を取らずに、国民の祝日ばかり休むということがあるので、その改善も必要かなと。

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地域にいっぱい人が来てもらえることは、基本的に悪いことではない。ただ、何でもかんでも物が売れて、どんどん人が来れば潤うかというと、逆のケースも結構多い。ある一定程度の節度が必要。そのどちらを選ぶかは、地域の側で判断することが大事。そのことができるかできないかが、地域再生のカギ。

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外国の方が北海道の環境、自然、食の素晴らしさを感じて帰って頂いている。北海道のブランドであり、イメージの良さにつながると思うが、これが輸出にもつながっていくのだろう。お互いに行き来して、お互いを知ることで、素晴らしさに気づき始めて、ウィンウィンの関係になっていけば素晴らしいと思う。

<基幹産業“農業”の今後は>

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全国の農業規模を8兆円としても、北海道は1兆円くらいの稼ぎ。TPP問題などグローバル化の中で、日本の農業も戦っていかなければならない時代に突入した。しかし、日本の生産物はコストが高く、価格も高い。北海道の農業も、これから先、外国と戦える生産コストにあわせていくのが、強く求められる。

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北海道の農業は家族経営が中心で、これを守るのは基本中の基本。しかし、従来の後継者という考えだけで、農業を守っていく時代が終わるかもしれない。地域ぐるみで農業を支え、盛り上げていく。国内のマーケットが縮小する中で、差別化された北海道の農産物を、きちんと富裕層に届けられるよう対策したい。

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国内のマーケットが縮小しているのは事実。食料自給率が低いということは、しっかり考えておかなければならない。北海道の農業の特徴は、実は多様性。小規模な農家も結構あって、小規模だが、収益あげているところもある。この多様性のある北海道の農業をどうやって生かしていくかがポイントだと思う。

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セグメントを分けていって、マーケティングによって売れるところをいかに見つけていくかということが、究極的には重要なのかなと。その部分を地域で考えられる機能をどうやって担保していくか、そのあたりを作っていくことに支援する。そういうことが必要だと思う。

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撤退しなきゃいけないところが出てくると思うが、それを全部まとめて大規模化して、最終的に企業が経営するような農業というのを、多分政府はイメージしている。本当に日本の農家はまじめにやっていて、安全で安心。少なくとも企業の論理、利潤追求というのを農業に持ち込むのはやめたほうがいい。

<開業迫る北海道新幹線は>

激論!どうする北海道

盛り上がりが不足しているのではないかというのが、正直な感想。やはり、1日でも早く札幌まで延伸して頂かなければならない。新幹線に乗ったことがない道民が多いと思う。価値が分かっていない。新幹線が来るのは歴史的な1ページなので、札幌もそうだが、北海道全体として盛り上げなければならない。

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問題は北陸新幹線で何が起きたかということ。勝ち組は軽井沢と金沢だけ。新幹線が来ると競争が激化して、強いところはますます強くなる。函館に魅力があれば、みんな来る。もっと仕掛けを作ってアピールしなかったら、来ない。全国との競争になるから。海産物とかいいものあるのに、なぜ仕掛けないのか。

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4時間の壁というのが厚くて、金沢で2時間半。そこの部分は違うが、石川県内でファンドを造成して、平成25年から29年まで県内の自治体と県とがPR資金を10億円くらい造成した。本来、道も「道の新幹線なんだ」と機運を作っていく、ファンドを造成していく動きがあって、ターゲットの地域にPRするのが重要。

激論!どうする北海道

北海道においては鉄道の老朽化というか、保全が中々できないという問題は元々ある問題。それが新幹線が乗り入れたとしても、大変だろうなと。函館の人がどれだけ本気になって町おこしするかにかかっているが、「とにかく新幹線が来ればなんだかだ」というのは、東京に住んでいたら幻想に聞こえる。

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(新幹線の)倶知安駅ができると言っても、人口はせいぜい1万5000から1万6000人くらい。地域として1つのマチが頑張るというだけではなくて、札幌の南区も含めて経済圏を作っておかなければ。西胆振と羊蹄、南区を合わせて40万になる。今から戦略を持っていかないと、後手に回る可能性がある。

※敬称略、肩書は当時