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HTB 北海道テレビ放送 会社案内

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番組審議会だより


 北海道テレビ放送では、番組審議会委員10名の方による放送番組審議会を設け、毎月1回(8月と12月を除く)審議会を開催して、放送番組の内容をはじめ、放送に関する全般的な問題についてご意見を伺い、番組制作の参考にさせていただいております。
番組審議会でのご意見は,番組モニターの方のご意見とともに、2ヶ月に一度第3日曜午前5:05から放送の「あなたとHTB」でもご紹介していますのでどうぞご覧ください。

第456回北海道テレビ放送番組審議会概要

日時

2013年7月25日(木)
15:00~17:00

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審議番組

テレメンタリー2013「12億円の弁明 震災復興 疑惑のNPOを追う」
2013年7月6日(土)25:45~26:15放送

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出席委員
内田和男 委員長
新谷朋子 副委員長
平島美紀江 委員
伊藤千織 委員
大西昌美 委員(レポート)
烏日娜  委員
真弓明彦 委員(レポート)
作間豪昭 委員
閔 鎭京 委員
西川祥一 委員
会社側出席者
代表取締役社長 樋泉 実
常務取締役 田中英也
取締役 林 亮一
役員待遇CSR広報室長 国本昌秀
報道情報局長 寺内達郎
CSR広報室部長 岡 仁子
番組担当プロデューサー 山田佳晴
番組担当ディレクター 見張祐介
番組審議会事務局長 四宮康雅

【会社報告】

  • 参議院選挙対応について
  • 第95回全国高校野球選手権大会の放送対応・オンデマンド配信について
  • 「恋する北海道」、シンガポール、上海に続き台湾でも放送開始
  • HTBの地域活動、今夏の子ども向けイベントについて
  • 7/12北海道南西沖地震から20年を機に奥尻島から生中継
  • ホットラインマンスリーレポート2013年6月

【委員の意見要旨】

◇番組冒頭に映し出された岡田代表の興奮した姿は、番組の期待感を高めるのに十分。不適切と思われる事業や近親者への支出疑惑など、生々しい映像に、住民や首長などの発言をまじえて紹介、岡田代表や弁護士による弁明を散りばめる構成は臨場感と説得力に溢れていた。

◇カメラを複数台使用したインタビューは、さまざまなアングルからズームアップ映像を交え、岡田代表の表情と感情の変化をつぶさに映しとって、迫力満点。落ち着いた女性のナレーションも番組に重厚感を持たせていた。

◇全編を通して報道における視覚の力に圧倒された。特に冒頭のインタビューが興味深い。番組内では岡田代表への疑惑を言葉で明示はしていないが、事実関係を状況と関係者の証言から組立て提示し、評価を視聴者に委ねている。カメラの前で繰り広げられる虚虚実実のパフォーマンス、視覚情報から、視聴者は何が真実かをつかみ取ろうとする。テレビが持つ本来の視覚という訴求力が武器になった好例。

◇北海道に本拠を置くNPO法人ということで、発覚後から道民の関心は高かった。誠に時宜に適った番組である。

◇使途不明金の事実を説明するにあたり、岡田代表のイタリア旅行の写真、「大雪りばぁねっと。」の訓練映像、リース会社代表との親密な関係を思わせる写真などの挿入は、さまざまなアングルからの徹底したきめ細かい取材姿勢を窺わせるものだった。

◇ニューハーフたちのイベント映像は、税金を投入するに相応しいか否かを視聴者に強く訴えかけるものだった。そのなかで、前列に座った子どもたちのきょとんとした表情に目がくぎ付けになった。これこそが一つの画面に多様な要素が入るテレビの特徴を存分に生かしたもの。

◇前半部分で不自然な施設のセキュリティ設備、アルマーニのスーツ、高級食材のカニやいくらなど、生活者の視点で具体的に無駄遣いが表現されていた。そして町民が語る事実と岡田代表の弁明が交互にテンポよく映し出され、流れるように視聴できた。

◇一番印象に残ったのは、第三者委員会の委員長が「国のお金だからという甘えはなかったのか」と、疑問を投げかけるシーン、そして解雇された方が「結局は税金でしょ」とつぶやいた場面に、この問題のもつ根源を垣間見る思いがした。

◇短い時間内に、要領よく、わかりやすくまとめられている。全国放送を意識し、初めてこの問題に触れる視聴者にも概要が理解できる構成に腐心している。またこの問題の概要を知っている道民にも、岡田代表のインタビューを冒頭に据え、ニュース仕立てにするなど、あきさせない工夫を凝らしていた。

◇時系列に、元職員や当時の町長などの山田町の告発について、映像資料のあとに岡田代表が答える構成はとても分かりやすかった。コメントだけでも事件解決の難しさ、そして山田町の方々の苦労が強く伝わってきた。

◇NPO法人「大雪りばぁネット。」を全国発信のテレメンタリーのテーマとして取り上げたこと自体に敬意を表したい。人を顔で評価してはいけないが、いかにも強面の岡田氏への直接のアプローチとさまざまな問題提起など、この番組を放送した意義は大変大きい。

◇5億円の不適切支出の内容についての、町や県が何と言っているのか、町や県の報告書はあるのか、取材者は情報公開請求等を行い入手しているのか、どこまでの情報を入手できたのかなどについて疑問が残る。

◇現実とマッチしない政策を展開する国の問題、出所が国税であるための問題意識の低さ、社会全体に根付いている総合的な問題まで踏み込んで欲しかった。

◇不正支出の説明で、前半では水上ボート1000万円や水上バイクの高額品の購入に触れている。後半でリース会社の問題を指摘する際に、緊急雇用支出事業では50万以上の品物は買えないため迂回を暗示する記述があり矛盾を感じた。前半部分に触れないという選択もあったのではないか。

◇「大雪りばぁネット。」が正しく実施してきたこと、突然解雇された地元の人々の衝撃や失望感がクローズアップされていれば、不適切事業が被災地や被災者に与えた影響が鮮明になったと思う。

◇「大雪りばぁねっと。」の問題に正面から果敢に対峙したHTBの取材姿勢に敬意を表し、さまざまな視点での続編を期待したい。

◇今後、警察や司法により事件の全貌が見えてくるのだろう。この事件に関わったほかの人々への取材やNPO法人、岡田代表の活動等も深く取材を掘り進め、事件の全容解明に資するような特番を組んでいただきたい。

※次回の審議会は、2013年9月26日(木)です。