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番組審議会だより
北海道テレビ放送では、番組審議会委員10名の方による放送番組審議会を設け、毎月1回(8月と12月を除く)審議会を開催して、放送番組の内容をはじめ、放送に関する全般的な問題についてご意見を伺い、番組制作の参考にさせていただいております。
番組審議会でのご意見は,2ヶ月に一度第4日曜午前5:05から放送の「あなたとHTB」でもご紹介していますのでどうぞご覧ください。
第493回北海道テレビ放送番組審議会概要
日時
2017年4月28日(木)
15:00~16:30
審議番組
HTBノンフィクション「レジェンド 不屈の男・葛西紀明の挑戦」
出席委員
平本健太 | 委員長 |
作間豪昭 | 副委員長 |
古郡宏章 | 委員 |
遠藤香織 | 委員 |
喜多洋子 | 委員 |
鳥居マグロンヌ | 委員 |
深江園子 | 委員 |
斎藤 歩 | 委員 |
稲井良介 | 委員 |
会社側出席者
代表取締役社長 | 樋泉 実 |
常務取締役 | 國本昌秀 |
取締役 | 森山二朗 |
役員待遇コンテンツ事業室長 | 川筋雅文 |
報道情報局長 | 東 直樹 |
編成局長 | 福屋 渉 |
CSR広報室長 | 岡 仁子 |
番組担当プロデューサー | 新田博章 |
番組担当ディレクター | 市川大祐 |
番組審議会事務局長 | 斎藤 龍 |
【会社報告】
- HTBイチオシ!まつり、9/1~3開催決定
- 新社屋の進捗状況
- onちゃん、北海道大学に特別学生入学
- 放送番組の種別の公表制度に基づき、(2016年10月~2017年3月)の各第3週の個々の放送時間の種別、種別毎の放送時間等について報告
【審議番組についての委員意見要旨】
<評価点>
●「この人が来て感動が来ないはずが無い!」というセレクトで、番組全体を通して感動したり、泣いたり、とても良い番組だった。
●葛西選手を追って宮古島から韓国・ピョンチャン、フィンランドへと目まぐるしく移動しながら、葛西紀明の伝説に「肉体・人生・経験・人気」の側面から迫る力作。
●レジェントの源泉を肉体、人生、経験、人気という4つの切り口で紹介するのも分かりやすい。
●葛西選手の朴訥さ、ひたむきさ、肉体だけでなく精神の強靭さ、困難に負けなかった人柄の一端を、初めて知ることができ、その点において有意義だった。
●人が努力をする様というのは、それを見る人を勇気づける力がある。私を含め、仕事で悩んでいる人やあるいは受験生が見たら、きっと勇気づけられたと思う。シンプルにいい番組だった。
●彼のことをまるで知らなかった各国からの留学生たちが「こんなに素晴らしいアスリートの存在を世界に向けて、もっと発信するべきだ」とコメントしていた。まさに不屈の男である葛西選手の半生と魅力が外国人にも上手く伝わっていた。
●若い選手とのトレーニングの映像から、葛西選手のオーラが違うという印象を受けた。そしてメンタルが、どれぐらい強いかがよく伝わった。私生活での悲しい出来事や長野オリンピックのときの挫折などがあっても、とにかく前向きでいられるのが素晴らしい。
●葛西選手が、シーズン最初の助走を開始する直前、一瞬、恐怖と戦う表情が見られたのは興味深かった。
●飛形審判員席が右側にあるか左側にあるかで、テレマークの印象が異なるという事も番組で初めて知った。知っているつもりのこと、まだまだ知らないことを知る機会を与えてくれることがテレビの大きな魅力の一つだ。
●葛西選手の鍛え上げられた筋肉について、「つきたての餅みたい」とその軟らかさを表現した場面、平昌五輪のジャンプ台で「ジャッジタワー」が左側に設けられていることを「自分に有利」と喜んでいた場面など、新鮮な驚きをもって見た。
●オリンピックに出場できなかった悔しさを他者から見た場合、本人のモチベーションへ、不屈の男へと導いた大会を大きくクローズアップし、悔しさを胸に成長へと努力し続けた点も、とても心を打つ内容だった。
●長野五輪団体戦に選ばれなかったことが、現在の原動力になっていること。辛い経験を運命と受け止めて、前進する様子。負けず嫌いで、あきらめない強い精神力など、その魅力がどこからきているのか、もっと知りたいと思わせる内容。
●実際に長野五輪への想いを問いかける取材に対して、一瞬言葉に詰まった葛西選手の複雑な表情は、ひじょうに印象的。この番組のひとつの見所だった。
●「飛びたいと思う気持ちがあるのなら、年齢に関係なく、飛んでほしい」というお姉さんのことばに感動。
●平昌のサマージャンプ台を滑り降りる音は、冬のそれとは大きく異なり、聞いたことのない音だった。普段のテレビ中継とは違ったポイントに、カメラを置けたことで、拾うことができた貴重な素材だ。
<要望・改善点>
◆レジェンドのレジェンドたる所以を一言で説明するのは難しいのだろうが、葛西が、なぜ現役最年長にして成績上位のジャンパーであり得るのか、もう少し客観的な説明が欲しい。
◆他のスキージャンプ選手は、大体何歳で引退するのか、今の選手の平均年齢などという比較情報があれば、葛西選手の偉大さがさらに伝わった。
◆単純にドキュメンタリー作品として見た時、「引退しない理由と心情」や「強さと若さの秘密」について掘り下げてほしいという期待に対し、視聴後の印象はどことなく「薄い」。
◆ジャンプ選手の365日、いつどのようなトレーニングをしているか。適正体重を維持するためにどのような食事をしているか、ジャンプ前のルーチンなどはないかなど、情報としてもう少し入れてほしかった。
◆トレーニングの場面を削って、葛西選手本人や関係者が口をそろえていた「負けず嫌い、勝つまでやる」という性格にポイントを絞ると、暗くなったかもしれないが、奥行き感のある作品になったのでは。
◆近年の活躍は「過去の努力の貯金」とだけ説明されているが、果たしてそれだけなのか。技術的な改善点があったのではないか。仮に過去の貯金だとしても、それがなぜ今活きているのかについての専門家の解説があれば、すごくすっきりしたと思う。
◆BGMが創った側の意図を押し付けることになっていたように感じた。思い切って音楽を一切使わないで編集してみたらどうだろう。視聴者の想像力をもっと信用していいのではないか。
◆所属チームあるいは企業との関係に触れてほしかった。所属先企業が次々と経営破たん、スキー部も継続不能となる厳しい経験や、それを乗り越えて競技を継続できている現状をどう捉えているのか、本人の言葉で聞きたかった。
<提言>
☆HTBが、北海道出身のアスリートをしっかり追っていくことが、日本ではマイナーな存在であるウインタースポーツの底上げにも繋がると思う。一ファンとして、地道な取材と報道をお願いしたい。
※次回の放送番組審議会は5月26(金)開催予定です。