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めぐみ横丁

2016年10月10日(月)

まるで夏のように太陽がジリジリと照りつける暑い日。

強い想いに駆られ、この街へ。

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世界遺産・厳島神社

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駅構内も

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マンホールも、赤かった!

広島です。

今年5月。 現職の大統領として初めて広島を訪問した

オバマ大統領の演説をテレビを通して聴き、

何か変化したことなどはあるのか、 少しでも感じてみたかったんです。

たった1日半でも、思うことはたくさんありました。

広島駅から路面電車に乗って 30分ほどのところにある、原爆資料館。

近代的な白い建物の中には、

惨状が一瞬にして分かる展示物が整然と並べられています。

ボロボロになった衣服

変形した時計

熱で溶けて変形した瓦

その一角に置かれた、小さくて鮮やかな折り鶴を、

オバマ大統領はじっくり眺めていたといいます。

原爆のあと白血病になり 数年後に亡くなった中学生の女の子が、

闘病中に、生きたいと願って折ったものです。

私もですが、学校の教科書などでこの物語を読んだ、

という方もいらっしゃると思います。

生きたくても、生きられなかった。 それでも懸命に生きた。

鶴の輝きは、彼女の命の輝きであるような気がしてなりません。

そして、資料館の出口付近のガラスケースにも、一羽の折り鶴が。

オバマ大統領が広島訪問の際に持参した

オレンジ色の千代紙で折った手のひらサイズのもので、

くちばしの先がツンととがっているくらい、細部まで繊細でした。

つがいとなるもう一羽は、長崎に貸し出し中とのこと。

日本、そして平和の象徴とも言われるツル。

広島の中学生の女の子と、

アメリカのオバマ大統領の折り鶴、

この2つが、今、同じ空間にあるんです。

ふと周りをみると、

日本人よりも 欧米など海外からのお客さんが多くいました。

「ここのところ一気に海外からの訪問客が増えました」 と、

資料館スタッフの女性。

すすり泣く人。呆然と立ち尽くす人。

隣で折り鶴を眺めていた金髪の若い男性が

" I' ll be back. ( またここにくる) " と、

静かにつぶやいていたのが印象的です。

原爆資料館の窓からは 眼下に平和記念公園が広がり、

多くの人が祈りを捧げています。

真正面には、原爆ドームが見えます。

歩いて近づいてみると、むき出しのコンクリートなど、

建物はあの日のままですが、

がれきの隙間から、夕日に照らされて 青々とした背丈の低い草木が

まっすぐに生えているのが見えました。

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原爆ドーム

戦後71年。 

一瞬にして、街も人の命も奪った原爆。

日本人だけでなく、世界の多くの人たちが

あの時のことに想いを馳せる中、

今後、どう語り継いでいったら良いのか。

生命力溢れる植物を眺めながら、深く、想いを巡らしました。