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めぐみ横丁

2018年08月22日(水)

有 

絵を観てぞくぞくっと身震いすることはあるけれど

涙がとめどなく流れてくるのは初めての経験でした。 

先日、札幌の中島公園にある北海道立文学館へ。

9月9日まで開催中の "無言館展"。

長野県の山奥に佇む"無言館"に収蔵されている作品が並んでいます。 

描いたのは、20代~30代の男性。

画家を目指しながらも、太平洋戦争のさなか、

ビルマやフィリピンなどで散った若者たちです。 

「戦場に行くと描けなくなるから」

赤い着物を着たおばあちゃんを描いた青年は、

1945年、フィリピン・レイテ島で戦死しました。22歳でした。 

家族や恋人の肖像画、自画像、故郷の風景画のほかにも、

戦地に赴いてから消息が絶えるまで

家族に送られ続けた絵葉書なども並んでいます。 

どの作品にも、悲しみと、多幸感が

入り混じっているように感じました。 

たしかに "無言" ではありますが、

描きたかったこと、伝えたかった想いは、

しっかり絵に託されて、 

今もこうして観る人たちに語りかけてくるんですね。

戦後73年。日本でも、

そう遠くない過去に、惨たらしい戦争がありました。  

あと20年くらい早く、私の父がこの世に産まれていたら、

戦地に赴いていた可能性があります。

私も、今、ここに、いなかったかもしれません。

・・・こんな想像なんてしたくなかったし、

していいものなのか、分からないけれど。 

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静寂の中、平和について考える時間となりました。