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魚顔レンズ

2008年07月25日(金)

高校野球のこと(1)

HTBでは毎年南北海道大会の決勝と、北海道代表2チームの甲子園での戦いを放送していますが、当然ながらほとんどのチームは放送前に姿を消してしまいます。せっかく取材をさせてもらったのに、甲子園に届かなかったチーム。色んなドラマを教えてくれたのに、決勝を前に消えていったチーム。自己満足でしかないけど、放送で伝えられなかった話を、選手たちに感謝を込めて。

2002年以来、6年ぶり2度目の甲子園を目指し、決勝まで駆け上がってきた札幌第一。大会前はそう注目される存在ではありませんでしたが、準決勝で春の全道王者・東海大四を破り、堂々の頂上決戦進出。なんとなく、ノーマークから甲子園をつかんだ2002年に似た雰囲気が漂っていました。でも、キャプテンの高石大道選手は「2002年の頃は、札幌第一のこと知りませんでした」。高校3年生の6年前と言えば、まだ小学生。時の経過を感じる一言。でも、「練習中に甲子園の試合をかけてモチベーションを高めています。自分たちも絶対甲子園に行きたいです」。

3年間、早朝のバッティング練習を欠かさなかった高石選手。早朝6時半から7時には、室内練習場に高石選手がボールを打ち込む音が響いていました。そして、その高石選手のそばには、いつも一人の選手の姿がありました。同級生の三浦選手。「フォームが崩れてくるとすぐに気づいてくれる。今の自分があるのはあいつとの練習のおかげです」。部員60人を数える札幌第一の野球部。三浦選手は、背番号をつけてグラウンドに立つことはできませんでした。だからこそ、という高石選手の想い。「三浦と一緒に、甲子園に行きたいんです」。

決勝戦。4打数1安打。高石大道の、札幌第一の夏が、終わりました。