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魚顔レンズ

2008年07月28日(月)

高校野球の話(2)

4年ぶりに、夏の準決勝まで勝ちあがった東海大四。チームを支えたのは、エースとキャプテンのバッテリー。

エース・佐々木亮「真面目で、曲がったことが大嫌いなやつ」

主将・伏見寅威「野球に対して、熱すぎるくらい熱いやつ」

お互いをこう評するバッテリーは、同じクラスで授業を受け、同じ部活で汗を流し、同じ下宿の同じ部屋で疲れた体を休める。ほぼ毎日、24時間一緒に過ごし、「甲子園」という同じ目標に向かってきた。キャプテンとして、さらに4番としてもチームを引っ張る伏見に対して、佐々木が寄せる信頼は厚い。「サインに首を振ったことは、一度もありません。あいつが考え抜いた末に選んでくれた一球だから」。

準決勝。いつものように、迷いなく伏見のミットへボールを投げ続ける佐々木。しかし、札幌第一の打線が、2人の想いが詰まったボールをはじき返す。6回を投げ、5安打4失点。

「苦しいときに打ってこその4番」。劣勢のチームを、伏見のバットが鼓舞し続ける。4回、6回、8回と3本のヒットを放つ。それでも、傾いた流れを止めることはできなかった。春の全道王者として、優勝の大本命として戦った夏は、甲子園の姿が見えかけた準決勝で、幕を閉じた。