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魚顔レンズ

2008年07月31日(木)

高校野球の話(3)

2年連続で南北海道大会まで勝ちあがってきた札幌日大。ベンチの中に、ある旗を持ち込んで、甲子園を目指しました。



夏の大会が近づいてきた頃、練習の後に、背番号を貰えなかったある選手がいいました。「3年だけちょっと残ってくれ」。そして、キャプテンの菊地君に一枚の旗を手渡しました。真ん中には力強い筆文字で“最高伝説”という言葉。その周りは、びっしりと書き込まれたメッセージで埋め尽くされていました。そして、ベンチに入れなかった3年生12人の写真も。「戦うのはお前たちだけじゃない。俺たちもついてるぞ!」。キャプテンの目が、みるみる真っ赤になりました。でも、流れ落ちそうになる涙を、必死でこらえました。「すっごい泣きそうになったけど、我慢しました。泣くのは最後に勝ったときのうれし涙って決めているので」。

準々決勝、北照戦。優勝候補の一角を相手に、9回、1点を返し4点差。なお2アウト3塁1塁。“最強伝説”の旗を目に焼き付けたキャプテンが打席に向かいました。しかし、空振り三振。歓喜の涙を流すことなく、札幌日大の夏が終わりました。



キャプテンからみんなへの、最後のメッセージ。

「2年半一緒に野球をやってきて、本当にありがとうと言いたいです」