2018年07月02日(月)
宇宙への挑戦
前の晩の準備は、これまでになく順調に進んだ。
インターステラテクノロジズの社員にも笑顔があふれていた。
打ち上げ当日の朝、霧はなかった、風もなかった。
誰もが成功を願ってやまなかった。
私がいた、発射場から4キロ離れた特設観覧会場は、沈黙に包まれた。
爆発音の後、炎が上がり、打ち上げ失敗がわかるまで数十秒。
小鳥がさえずる中、人は呆然と立ち尽くした。時が止まった。
あんなに時間が長く感じたの生まれて初めてかもしれない。
記者会見で、堀江貴文氏は
ベンチャー企業が軌道に乗るまでに必ず通る
デスバレー(死の谷)と呼ばれる我慢の時を例に出し、
次へのモチベーションをどう保つか考えたいと、落胆交じりに語った。
ホリエモン節は無かった。
稲川社長は、疲労をにじませ「明確な失敗」としながらも
データがしっかりと取れた次につながる失敗だと、前向きな表情も見せた。
大樹町のベンチャー企業による民間ロケット打ち上げは
残念ながら失敗に終わった。
改めて、宇宙への道は険しい。失敗したことで成功は遠のいたが、
宇宙は、間違いなく近くなった。ただ、道のりは厳しい。
そんな気がした2回目の現地取材だった。
HTBは「不可能はない!」と証明されるまで
北海道発の民間ロケットを全力で追い続けます。