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HTB 北海道テレビ放送 会社案内

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番組審議会だより


 北海道テレビ放送では、番組審議会委員10名の方による放送番組審議会を設け、毎月1回(8月と12月を除く)審議会を開催して、放送番組の内容をはじめ、放送に関する全般的な問題についてご意見を伺い、番組制作の参考にさせていただいております。
番組審議会でのご意見は,番組モニターの方のご意見とともに、2ヶ月に一度第4日曜午前5:05から放送の「あなたとHTB」でもご紹介していますのでどうぞご覧ください。

第476回北海道テレビ放送番組審議会概要

日時

2015年7月23日(木)
15:00~17:00

画像
審議テーマ

「地域のためにテレビができること~信頼される局であるために~」

出席委員
平本健太 委員長
作間豪昭 副委員長
閔 鎭京 委員
渡辺淳也 委員(レポート)
福津京子 委員
高橋留智亜 委員
森田良平 委員
古郡宏章 委員
遠藤香織 委員
喜多洋子 委員
会社側出席者
代表取締役社長 樋泉 実
常務取締役 田中英也
取締役 国本昌秀
役員待遇コンテンツ事業室長 川筋雅文
報道情報局長 東 直樹
CSR広報室長 岡 仁子
編成部長 伊藤伸太郎
番組審議会事務局長 四宮康雅

【会社報告】

  • 「HTBイチオシ!まつり」9/4~6ケーズデンキ月寒ドームで開催
  • 「水曜どうでしょう DODESYO CARABAN2015」7/24~8/9東北6県と新潟で実施

【審議テーマについての委員意見要旨】

(2)「地域のためにテレビができること~信頼される局であるために~」についての委員意見要旨

●安保法案についての報道は、どの局も同じような切り口で論じている印象が強い。ひとつの問題に対して多面的に捉えて視聴者に考える材料を提供するという役目もマスメディアに求められる役割の一つと考える。報道姿勢として不偏不党、中立、中庸、偏向しないことは重要であるが、局や制作者の色を今よりもっと強く出していく必要もあるのではないか。
 局として、コンテンツのクオリティをどう高めていくかとともに、メディアの役割が変化する中で、どのように情報の扱いや切り口を変えていくのか、試行錯誤も必要なことと考える。
 HTBには、次世代のテレビ局としての在り方を問うような番組や企画を今後も期待したい。

●Hello!Touch HTBを拝見し、HTBが地域とともに広場をつくることをミッションに、詩集サイロの朗読活動・キルトのコミュニティ・onちゃんお話し隊・豊平区とのまちづくりパートナー協定等、さまざまに取り組んでいることを知った。
 医TVなどハイブリットキャストを取り入れた番組、海外への番組配信などは先進的な取組みである。
 これから、映像の力はますます必要不可欠な時代になるだろう。地域の人々に映像の楽しさや映像で伝える技術を教えてくれる仕組みがあれば、もっとテレビが身近なものになると思う。

●視聴者の信頼を得るという観点においては、放送に携わる全ての方々と放送局において、報道や情報の扱い方の公正さ、公平さ、正確さと多面的な視点からの評価などが、最も基本的な使命である。
 地域のためにできることについては、情報発信力の重要性に触れたい。地域内においては、自分たちが生活する地域の情報として本当に知りたいことを地域に密着して掘り起こすこと、そして、視聴者が気付いていないが知っておくべきことを積極的に訴える力も必要。
 地域の情報を地域外への発信することについては、HTBは既に大きな成功をおさめており、北海道のイメージ向上へ多大な貢献をしていると考える。一層の進展を期待したい。
 良質なドキュメンタリー番組の放送時間が深夜・早朝であることが多く、視聴者の目に触れにくい。信頼される局であるためには、なるべく多くの人々に見てもらう努力も重要。

●HTBアナウンサーによる被災地への支援活動は非常に重要、onちゃんおはなし隊は、住民や子供たちにとって夢を運び何かしらのチャンスを与える機会、「いずみ 北海道くらしの詩」のように中年層以上の感性を取り入れる形式も大変着眼点が良い、「HTBイチオシ!まつり」での入場者5万人は、地域から信頼を得ている証拠であろう。
 「今そこにある詐欺」は秀逸である。日常にある身近な恐怖の存在、視聴者がどう対処すべきかも詳しく紹介されており、高齢者である自分の母は祖母たちに是非見せたい番組。
 歴史や社会学に近いコンテンツは、番組内の知識の実用性に疑問を感じることが多い。現代社会に通じるメッセージ性を強く持ってほしいと思う。
 HTBによるアジアを中心とした国際的な情報発信の取組みにより、ニュースやバラエティ、報道番組にも国際的な注目が寄せられると、メディアという市場がさらい大きく将来性を持ち、北海道の経済力活性化にも大いに役立つと感じる。

●HTBの地域メディア活動広告書「ユメミル、チカラ応援レポート」を見て、東京キー局と比べると規模もはるかに小さい北海道のテレビ局にこんなに多様な取組みが出来ていることに驚かされた。
 同レポートには「地域CSR」の考え方もしっかりと打ち出されている。アナウンサーや社員がどんどん地域に出て、地元の人たちとしっかり交流する、また番組的には「今そこにある詐欺」などは、まさに本業とリンクした出色のCSR活動にもなっている。
 ぜひ、今後も「放送」の枠だけにとどまらない地域との関係を重視した企業理念を持ち続けていただきたい。

●HTBが取組んだ「わたしらしく、はたらく未来を考える」トークセッションに参加した。二人の子育てをしながら働く森さやかアナウンサーが、仕事についての考え方や自身の未来像を等身大で語る言葉は、聴衆の心に深く響くものだった。これからも、視聴者と触れ合う、遊ぶ、喜ばせるとともに「語らう」場所を増やしてはどうか。草の根的だが、人々のリアルを知る王道であると思う。
 新社屋には、そのためのフューチャーセンターを設け、そこから発生した各世代の「いま」を掘り下げ、テレビで取り上げる。レギュラーで発信することで、テレビこそが世代を超えて情報を共有できる一番のメディアであることを、若者に気づいてもらうきっかけになると思う。
 地元の劇団によるクオリティの高い芝居を、深夜枠でもいいのでHTBで放送していただきたい。テレビで芝居を見て会場に足を運ぶ、芝居好きが増えたら素晴らしい。
芝居好きな人がもっと増えたら素晴らしいと思う。
 「しくじり先生」は素晴らしいコンテンツである。ローカル版をぜひトライしていただきたい。

●事件報道は一過性がほとんどであるが、飲酒運転による悲惨な交通事故が繰り返されること、環境問題などは是非継続して報道していただきたい。
 自転車に関する道交法改正について、視聴者にとって身近で、影響が大きいにも関わらず、ニュースで取り上げたのは数日だけだった。「今そこにある詐欺」のように、社会に浸透するよう、子どもや学生、主婦にもわかりやすい、番組を制作していただきたい。
 問題を討論できる参加型の番組がほとんど見当たらない。環境や経済の側面からゴミを減らしたいと考えている人は多い。消費者と生産者、流通業者、ゴミを処理する方々が、それぞれの悩みや問題点を訴え、ともに解決策を模索するような、自由で民主的なテレビ番組があってほしい。
 視聴者が、自分の知りたいこと、解決したい問題を自ら取材し、プロのテレビマンがサポートしてくれることにより、共に作り上げるような番組を期待したい。

●札幌市民交流複合施設内の高機能ホールではオペラ・バレエ等の舞台芸術が上演される予定で、札幌市内のみならず、北海道内、アジアからも訪れるだろう。テレビは最もマスメディアとして強力な情報発信ツールで、札幌の芸術文化を是非とも発信していただきたい。また、なかなか芸術文化に触れることができない地域の人々が、気軽に楽しめるような取組みを考えてほしい。
 テレビの強みは公平と平等であると考える。子どもたちや社会的に排除されている層、健康の関係で劇場に来られない人々にとって、テレビはとても近い存在であり、芸術文化を楽しめるツールとしての役割は十分に果たすことができる。社会のニーズをくみ取って番組を作る、社会的課題を解決するなど、目に見える取組みも大事だが、「公」が担えない部分を補ってくれることも、地域のためになり、地域との信頼が築かれていくと思う。
 公演のアーカイブ映像は、100年後200年後の人々が、当時の文化を確認する機能も有する。テレビ局のノウハウや技術力を活用して、文化発信にも努めていただきたい。

●地域のためにテレビができる最たることは、地域を題材にコンテンツを作り、地域にも地域外にも発信し続けることに尽きると思う。HTBが制作する「ハナタレナックス」「おにぎりあたためますか」等はバラエティというジャンルを通じ、道内の様々な地域に視聴者の目をむけさせ、地域に視聴者を引きよせており、地域貢献の視点から高く評価したい。
 報道の場面での地域密着性に注力いただきたい。地域の問題を解決できるのは結局その地域に住む住民である。住民に、その地域の問題解決のための情報をどれだけ提供できるかも、地域のためにできること、地域メディアに課されている使命ではないだろうか。
 砂川5人死傷事件を例にとれば、交通事故の被害者も加害者もその地域を構成する住民であり、事件報道において、なぜそのような事件がおきたのかについて、加害者の属人的な部分だけでなく、地域で解決できることはないかといった視点を持ちつつ報道がなされれば良いと思う。
 信頼される局であるために、視聴者に知ってもらうことに意を払い続けること、どのように自分たちが見られているかをメディア側が自覚する機会を絶えず持つことが重要。
 新社屋に移転するにあたり、視聴者が集う場所、そしてその存在によって、番組の作り手が自分たちの見られかたを確認できるような場所が設けられることを希望する。

●HTBは、積極的に番組の自社制作に取組み、北海道という地域のさまざまな面を、全国に、そしてアジアを初めとする世界に向けて発信し、地域に所在するテレビ局のなかで、先駆的にこのような取組みを行ってきた。今回のテーマの一つのモデルケースと言えるであろう。
 アメリカの未来・経済学者ジョン・ネイスビッツによる「シンク・グローバリー・アクト・ローカリー=グローバルに考え、でもローカルに行動せよ」という有名な言葉がある。彼の言葉に照らせば、地域ためにテレビができることは、地域の文化や特性を、大げさに言えば、世界に対して示していくことなのだと思う。
 地域には、自然や文化、人や食など、潜在的なものも含めさまざまな資源が存在しているが、北海道民がその素晴らしい価値に気付かないことも多い。このような資源を顕在化し、独自の切り口で地域の価値を高めていくことも多いに役立つ。
 番組審議会の対象になってきたHTB制作番組の多く、たとえば「壇蜜古画」や「いずみ 北海道くらしの詩」、各種のドキュメンタリーは、こうした可能性を切り開く、いわば挑戦的な試みなのだと思う。
 地域に根差しながらも一方でとても大局的に考え、地域に密着した行動をし、地域の多面的な特性を広く発信していくことこそが地域に根差すテレビ局が行うべき行動、なすべきことと考える。

※次回の放送番組審議会は、2015年9月24日(木)です