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番組審議会だより
北海道テレビ放送では、番組審議会委員10名の方による放送番組審議会を設け、毎月1回(8月と12月を除く)審議会を開催して、放送番組の内容をはじめ、放送に関する全般的な問題についてご意見を伺い、番組制作の参考にさせていただいております。
番組審議会でのご意見は,2ヶ月に一度第4日曜午前5:35から放送の「あなたとHTB」でもご紹介していますのでどうぞご覧ください。
第504回北海道テレビ放送番組審議会概要
日時
2018年5月24日(木)
15:00~16:30
審議テーマ
HTBノンフィクション「涙を笑顔に変える場所~ジャンパー伊藤有希の挑戦~」
出席委員
平本健太 | 委員長 |
斎藤 歩 | 副委員長 |
鳥居マグロンヌ | 委員 |
深江園子 | 委員 |
稲井良介 | 委員 |
高橋多華夫 | 委員 |
佐賀のり子 | 委員 |
嶋田知紗 | 委員 |
佐藤 敦 | 委員 |
会社側出席者
代表取締役社長 | 樋泉 実 |
常務取締役 | 國本昌秀 |
取締役 | 森山二朗 |
役員待遇コンテンツ事業室長 | 川筋雅文 |
報道情報局長 | 大羅富士夫 |
CSR広報室長 | 岡 仁子 |
番組担当プロデューサー | 市川大佑 |
番組担当ディレクター | 田尻小夏 |
番組審議会事務局長 | 斎藤 龍 |
【会社報告】
- HTBが長年取り組んできた「ヒグマの生態と、人間との『距離』の問題を伝え続ける」が、第55回ギャラクシー賞報道活動部門の奨励賞を受賞
- 高校野球甲子園100回記念大会のPRイベント開催
- 7月12日~「どうでしょうキャラバン2018」開催
- 内閣府・規制改革推進会議について
【審議番組についての委員意見要旨】
《評価点》
●悔しさとストイックさ、葛西監督も認めるダントツの負けん気。年下の高梨選手へのビッグハグと笑顔。逆境のヒロインに寄り添い、等身大に描いた佳作。
●カメラに向かって謝る彼女を見て「謝らなくていい!」と涙し、そして伊藤選手と高梨選手の抱擁に涙し、大倉山で優勝してスッキリするという、心地よいカタルシスを味わうことができた。私を元気にしてくれた番組だ。
●番組を見進めていくうち、伊藤選手がだんだん魅力的に見えてきた。作り手の伊藤選手に対する暖かな眼差しも感じられて、気持ちがほっこりとした。
●高梨選手ではなく、伊藤選手にスポットをあてたノンフィクション番組は、伊藤選手ってどんな人なのかと見るものを引き込むパワーがあった。
●2009年からの映像もあり、長期にわたって伊藤選手を応援していることが伝わってきた。女子スキージャンプが、オリンピック競技になる前から伊藤選手がオリンピックのことを見据えている姿に感動した。
●北海道のテレビ局だからこそ扱えた素材が満載。豊富な映像資料とコメントの数々に裏打ちされた安定した番組。
●下川町出身、小さい頃からジャンプ競技を続け、オリンピック選手になったことは、LS北見の活躍とも共通するものを感じる。地域に根差し、子どものころからそのスポーツが身近にある環境というのはとても重要なことだ。
●番組には、取材の蓄積を感じさせる部分も随所にあった。小さなころの伊藤選手の様子や中学時代に高梨沙羅選手とともに参加したナショナルチームの合宿、土屋ホームの入社内定記者会見の様子など貴重な映像だ。
●土曜日の午前10時20分からという時間帯で、幅広い層特に伊藤選手のことをよく知らなかった方に、伊藤選手のオリンピックまでの歩みを紹介する番組としては、分かりやすかった。
●「悔しい」と言いながら左目から一筋の涙がこぼれた映像は、そこに意思を感じ、冒頭でこの映像を使ったのは、とても良かった。
●番組を見ながら伊藤選手に感情移入していたので、高梨選手を「おめでとう」と抱きしめる姿には、こちらも涙を止めることができなかった。
●若い世代にこういう番組を通じて、自分の意志を貫くことの大事さを少しでも教えることができるではないか。
●室岡アナウンサーの声は落ち着いて安心感があって心地よかった。「イチオシ!モーニング」とは違う、別の魅力を知ることができた。
《改善点・要望点》
▲番組のタイトルにある「場所」は、何を示しているのか、はっきりしないままで番組が終わった。その場所が、ジャンプ台なのか、練習なのか色々考えたが、良く分からなかった。
▲伊藤選手は、繰り返し、いつも周囲に支えられていること、感謝の言葉を口にしていたが、「周囲の支え」とは何なのか、彼女が何に「感謝」しているのか、いま一つぼんやりしているように思えた。
▲ラストに「理想のジャンプを飛ぶため」というコメントがあったが、選手が自分の内面と向き合うようなシーンが欲しかった。応援の意味を持ちつつ、それを超えたドキュメンタリーとして満足度がより高まったのではないか。
▲伊藤選手の心の奥底に秘められた思いのようなもの。あふれ出る感情。悩む部分への肉薄にやや不満がある。そこを本人の表情や、コメント、態度などから構成できなかったのだろうか。
▲「ありきたりで、驚きが少ない」という印象は、葛西選手を取り上げた「レジェンド」にも感じたところ。今回も人物の描き方に、同じような平板さを感じた。
▲伊藤選手の生い立ちを描いていくところでは、時系列が分かりづらかった。下川中学時代とか、何年ナショナルチーム合宿など、スーパーで補足してほしかった。
▲ジャンプ競技はレギュレーション変更が結構あるイメージなので、採点の方法などの説明が少しでもあればよかった。
《提言》
☆ドキュメンタリーには、驚きやニュースがほしいと思う。ある人物を取り上げるなら、多くの視聴者が、これまで知らなかったような一面を掘り下げて提示してほしい。視聴者の予想や期待を大胆に裏切り、覆すような番組を期待している。
次回の放送番組審議会は6月28(木)開催予定です。