now onair

NEXT

―2014年放送―

2014年9月23日
「孫のカット」 後藤京子(当時70歳・主婦)=札幌市豊平区

画像

娘の次男が昨年、試験に合格し美容師になりました。
娘の話ではカットの腕も少し上がったようだとのこと。
どんな仕事ぶりなのかも見たくて、
バスと列車を乗り継ぎ、孫の勤める美容室に行きました。
私の髪形は、昔風にいうならマッシュルームカットです。
 「いらっしゃいませ」とスタッフの方に温かく迎えてもらい、順番を待ちました。
お客さんに明るく声をかけ、皆さんがキビキビと動いていて、良い雰囲気でした。
 孫は「ばあちゃんのカットなんて緊張するー!」と言いながら
手順通り進めていきます。
母親から聞いた私の最近の関心事などを話したり、
年金支給日は美容室が混み合うとか、手も口も休ませることなく、
私の満足のいくように仕上げてくれました。
先輩から細かい部分の指導があり、再度やってみてOKです。
 仕上げのシャンプーは本当に気持ちよかった。
「お湯は熱くないですか? 痛いところやかゆいところはないですか?」
と聞いてくれる声に、小さい頃を思い出してウルウルしてしまいました。
 どこの職場もそうでしょうが、
仕事のきつさから、一緒に勤務した同期は残っている人の方が少ないとか。
孫も大変さを母親にこぼすことがあるようですが、
職場では笑顔で楽しげに仕事をしていて安心しました。
母親には私のカットは「難しかった!」と言っていたそうです。
これから何回でも練習台になるからね。