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やすとものいたって真剣です 中川家(秘)真剣トーク後半戦!M-1初代王者から審査員へ

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―2014年放送―

2014年11月11日
「お弁当箱 」 竹花裕子(51歳・団体職員)=函館市

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私は子どもに、弁当箱は自分で洗うように言っているのだが、なかなか実行してくれない。
友人に「高3の娘がお弁当箱を洗わないので、
洗うまで次々と違う容れ物に作ってやるの」と話したところ、
3人の男の子を育てている彼女は
「うちでそんなことしたら、その汚いのに詰めてやる」と言っていたことがある。

 なので、夜、黙って包みごと弁当箱を差し出した娘に
「これにそのまま詰めちゃうよ」と言ってみたのだが、「いいよ」と平然と答えて寝てしまった。

 実はその数分前、
高1になったばかりの末の息子が持ち帰った弁当箱が、きれいに洗ってあり、
「どこで洗ったの?」と尋ねると「学校で。」との答え。
5人の子どもたちの中で、初めて学校で弁当箱を洗った子が出たことに、
感動したばかりだったのだ。

 しかたがないなあ、と娘の包みを開けると、
何とこちらも洗ってあるではないか。
 不覚にも大泣きしてしまった。

 夫が、突然くも膜下出血で亡くなってから、またたく間に4カ月が過ぎていった。
淡々と事実を受け入れ、泣き叫ぶこともなく、寂しいと口にすることもなかった末っ子2人が、
母を思ってしてくれたことが、たまらなくいとおしくなった。
思わず、翌日の弁当のためのマカロニサラダを作り始めた。
 お父さん、あなたの子どもたちは、もう立派に育っています。
安心してください。
私は大丈夫です。 〆