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―2015年放送―

2015年08月25日
2014/02/06掲載「祖母の縫った服」
大田夢(当時28歳・主婦)=室蘭市

2014/02/06掲載「祖母の縫った服」<br />大田夢(当時28歳・主婦)=室蘭市

私の祖母は洋裁が得意です。
若いころは仕立屋さんで働き、
オーダーメードのジャケットを毎日何着も縫ったそうです。

 私と妹のためにも、
おそろいのシャツやワンピース、コートなどを縫ってくれました。
なので、小さいころの写真は、必ず2人同じ服で写っています。

大きくなってからは、私がデザインをし
「襟は丸くして」「丈は膝ぐらいね」と相談をしながら服を縫ってもらいました。

年をとってもおしゃれで、
流行のチェックを欠かさない元気な祖母が大好きです。

 やがて私の結婚が決まり、
夫の家族にあいさつに行くときも、両家の顔合わせのときも
私は祖母が縫ったジャケットを身に着けました。
なんだか祖母が後ろから「頑張れ!」と見守ってくれているようで、
背筋がぴしっと伸びたものです。

 夢だったウエディングドレスも、ぜひ祖母に縫ってもらいたかったのですが、「そんな大作はさすがにもう無理よ」との一言。
それでも食い下がり、友人とのパーティー用に、
細かいレースとくるみボタンがついた、白いワンピースを縫ってもらいました。

 結婚式の当日、祖母には中座の介添えをお願いしました。
祖母は披露宴の間ずっと泣き通し、
中座のたびに私のドレスを何度も踏んづけるので、
「縫ってもらわなくて正解だったな」と思いました。

 おばば、
今までたくさんの服を縫ってくれてありがとう。
元気で長生きして、今度は私の子供のために、産着を縫ってくださいね。
                               〆