―2015年放送―
2015年09月01日
2015/5/1掲載「父」
青山恵美子 （当時６２歳 ・保育士）＝旭川市
父は、とても真面目で優しい人で、私に多くの大切な事を教えてくれました。
「待ち合わせの時は５分前までに」
「自分がされて嫌な事は、人にはしない事」、
「女の子は椅子に座るとき、脚をそろえて座ること」等々。
中でも心に残っている父の言葉が三つあります。
一つは私が高校生の時でした。両親は何か困った事があったらしく、
そばにいた私に父が「おまえだったらどうする」と聞いたのです。
その時何と答えたかは覚えていませんが、
それは父が私を「大人として認めてくれた」瞬間でした。
うれしくて天にも昇る気持ちでした。
この言葉が私を大人にしてくれたと思っています。
もう一つは私が母に反抗的な態度をとった時のこと。
部屋に入ってきた父が何も言わずに座った瞬間、私は胸が高鳴り、
ああ自分の行動は間違いだったのだと悟りました。
無言でいる父の偉大さを感じました。
そして最後は、私の子供たちが高校生の時でした。
「おまえは子供たちを上手に育てたな」とニコっと笑って言ってくれたのです。
私は「そんなことないよ」と言いながらも、とてもうれしかったのを覚えています。ああ、私の子育ては間違いではなかったなあと確信しました。
父には、重みのある言葉と深い愛情をもらいました。
今年一月、そんな父の三回忌を終えました。
父さん、天国でどうしていますか？ 〆
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