now onair

NEXT

―2015年放送―

2015年09月22日
2011/11/22 「課題 」永崎(えいさき)順子(当時24歳・会社員)=札幌市中央区

2011/11/22 「課題 」永崎(えいさき)順子(当時24歳・会社員)=札幌市中央区

「りんとした」という言葉が似合う人。それが私の祖父です。
自分の考えを曲げない意志の強さを持つ反面、
私が幼い頃は、サンタクロースの格好でプレゼントを持ってくるなど、
いつもみんなが笑顔になれるよう考えてくれる、優しさもあります。
 教員を定年退職した後も町の議員を務め、手帳は予定でいつも真っ黒。
そんな忙しい日々をとても楽しんでいました。
 そんな祖父との一番の思い出は、9年前の数週間のこと。
学校の寮で暮らすのが嫌で、祖父母の家から高校へ通い、
いつも不安で泣いてばかりいた私に、祖父は課題をくれました。
「朝ご飯をしっかり食べること。
毎日学校へ行くこと。
おばあちゃんの前では泣かないこと」
当たり前のことだらけのそんな課題が、
知らない間に私を強くしてくれたと気付いたのは、高校を卒業した後でした。

 今、病院のベッドで病気と闘っている祖父に、私から課題を出します。
「私の花嫁姿を見ること。
念願のひ孫を抱くこと」。
祖父だけに課題を出すのは不公平なので、私も悲しい涙ではなく、
祖父のように、たくさんのうれし涙を流せる人生を送ることを、
自分への課題にします。
 私にとっては世界にたった一人の大切なおじいちゃん。
一日も早く完治して、一緒に課題を守ってくれることを心から願っています     〆