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―2016年放送―

2016年12月13日
12月13日放送 「もう笑って」
2016/03/23 (水)掲載 吉田郁子(よしだ・いくこ 当時56歳・公務員)=函館市

12月13日放送 「もう笑って」<br />2016/03/23 (水)掲載  吉田郁子(よしだ・いくこ 当時56歳・公務員)=函館市

私には3人きょうだいの孫がいます。その子たちの小学校入学のお祝いには、それぞれ学習机を買いました。

 1番上の孫は家具店で、「これがいい」と言ったものを購入。
2年後、2番目の孫は「お姉ちゃんと同じのがある。これがいい」と色違いを買いました。
そして、その2年後、3番目の孫の時も、「お姉ちゃんとお兄ちゃんと同じのがある。これがいい」と言うことで、上の2人と色違いを購入しました。

 ところが、いざ家に届いたのは、買ったのとは違う机。
すぐに店に連絡したところ担当者が家に来て、「すみません。手違いでその机を別な方に売ってしまい、在庫がありません。よろしければ、このカタログの中から選んでいただくか、代金をお返しいたします」と言うのです。
 こちらとしては、せっかく3人色違いの机でよかったねと思っていたのに、少々納得がいきません。担当者は「申し訳ございません」とひたすら謝るばかりです。

 すると、3番目の孫が、ママの後ろに隠れながら「これでいいから」と言うではありませんか。
「えっ?」と聞き返すと、申し訳ないと何度も頭を下げるお店の人に「じゅん、この机でいいから。もう笑って」と言ったのです。

 こんなに小さくても人を思いやる気持ちがあることに、とてもうれしく思いました。そんな孫も、この春中学生になります。