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おぎやはぎのハピキャン お手軽で大人も子どもも楽しめる「焚き火ソーセージ」に挑戦

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―2017年放送―

2017年08月08日
2016/05/17 (火)掲載「 最後まで笑顔で」星野美南子(ほしの・みなこ 72歳・主婦)=北広島市

2016/05/17 (火)掲載「 最後まで笑顔で」星野美南子(ほしの・みなこ 72歳・主婦)=北広島市

胃がんの夫が余命1カ月と宣告された。
 2年前、余命半年くらいと言われてから、
入退院をくり返しながらも、それなりに穏やかな生活が続いた。

 自宅で体調の良い時には、
台所に立ち、得意な野菜いためを作ったり、
庭に私の好きな花の種を植えたりしてくれた。

 そして今回、ゴールが目の前に見えてきた。
 とうに覚悟は、できていたつもりだったのに...。
何も手につかず、何をしても、うわの空という日々

今は時間の許す限り、夫の病室で過ごす。

夫は、好きなカボチャの煮物や焼き魚を少ししか食べられないが、
おいしそうに食べている。

 先日は食事についたミニトマトを見て、
「孫たちの好きなトマト、今年は植えられるかな」とポツリ。
一瞬切なさが胸をよぎるが、大丈夫だよと、さらりと受け流す。

そんなに会話もなく、静かな時間が流れている。
 夫は気分の良い時は、ラジオに耳を傾けたり、新聞に目を通したりしている。

 そんな毎日を過ごしながら今の私にできることは、
明るく、笑顔で夫と向き合うこと。

そして、最後の時も笑顔で、
向こうで待っていてネ、じゃあネ、と言っておくろうと心に決めている。

 悲しむ時間も、泣く時間も
1人になったらいっぱいあるのだから...。