無投票当選も…北海道内で「地方議員のなり手」不足深刻化する中 八雲町で「議員養成講座」始まる
2025年 4月22日 18:19 掲載
北海道内では地方議員のなり手不足が深刻化しています。そういった中、八雲町の議会が議員の養成講座を始めました。
■八雲町議会 大久保建一議員:
「(町民は)投票の機会がない、意思を示す場が与えられないということになり、結果として政治への関心が薄れていきます」
先週の八雲町議会。議場に座るのは、議員ではなく「議員のなり手養成講座」の参加者たちです。初回には、町内在住の会社員ら10人以上が参加しました。
■前田愛奈記者:
「現在、八雲町議は14人います。ただ、前回の選挙戦は無投票での当選だったということです」
今年10月に改選を迎える八雲町議会。講座開催のきっかけとなったのは、無投票選挙への危機感でした。
■八雲町議会 千葉隆議長:
「選挙の洗礼を受けて議員になるべきだという議論が、議会運営委員会を中心に起こりまして」
前回2023年の統一地方選では、道内で100の町村議選が行われ、そのうちの半数近い48町村が無投票。
■寺田広樹さん(43):
「無投票選挙は『その町が衰退している』というのを(ニュースで)見かけて見た時からずっと気になっていた。八雲町は衰退しているのかなって」
講座に参加した、建築士の寺田広樹さん43歳。
■寺田広樹さん(43):
「いまはチェックしてます。間取りに漏れが無いか。」
八雲町内で父親とともに建設会社を営んでいます。
■寺田広樹さん(43):
Qお客さんは若い方が多い?
「今は年配の方が多い。若い方はちょっと仕事なかなかもらえない。(若者が)いないのもありますし、(以前より)家を建てる余裕がない方が多いのかもしれない。」
人口がピーク時の4割ほどまでに落ち込んでいる八雲町。寺田さんの同級生も半分以上が仕事を求めて町を出ていったといいます。議員に興味を持ち始めたのは町の将来への「危機感」と「地元愛」からでした。
■寺田広樹さん(43):
「本当にいい街なんですよ、八雲町。本当にいい街なんですよ。運良くですね、実家が商売してて、同年代の会社員よりは自由な時間はあるので、(同年代の)先頭を切って引っ張っていきたいっていうのはあります」
初回の講座では、現職の議員が議会の役割や仕組みなどを説明しました。
■寺田広樹さん(43):
「どういった委員会があるとか、定例会も月によって日数が違うんだとか細かいところで勉強になりました。」
Q議員になりたくなった?
「なりました。あと2回あるのでさらになるかと思います。」
講座は全部で3回。来月の2回目で立候補するための知識や選挙制度を学び、6月の3回目では模擬議会を行う予定です。