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「風化防止」か「観光への影響か 誰が管理するのか」知床・観光船沈没事故 慰霊碑設置どうなる

発生から3年を迎えた知床沖の観光船事故。乗客家族は慰霊碑の設置を求めていますが、地元の観光業者から慎重な声も上がっています。

事故から3年。地元で懸念され始めているのは「風化」です。

斜里町のタクシー運転手)
「少しずつ薄れてるみたいな感じですよね」

家族の支援を続ける杉浦登市さん)
「日が過ぎるたびに忘れ去られないようにしていきたいと思っています」

26人が死亡・行方不明となった知床沖での「KAZUI」沈没事故。
乗客家族らは23日、追悼式を前に山内浩彰町長らと面会しました。話題の中心は慰霊碑の設置について。
去年も家族と町長が協議しましたがそれ以降、具体的な話は進んでいませんでした。

家族側弁護団 山田廣弁護士)
「家族会と斜里町がしっかり話し合っていきましょうと決まったので、それは一つの区切りになりえる」

斜里町 山内浩彰町長)
「全国からご寄付をいただいている部分、こういったところを基金として積んでいるので、(設置費用として)この基金を使うということは考えられる」

設置場所として家族らは、ウトロの道の駅を希望しています。
一方で地元の観光業者からはこんな声も上がっています。

観光業者)
「慰霊碑を建てることでこれから観光を楽しもうとしている人に、直接的な影響が出ないか懸念している」
「気になるのは誰が、どう管理し続けていくのか。現実的なことを詰めなければ」

慰霊碑はどうあるべきか、乗客家族と意見を交わしてきた人がいます。
美谷島邦子さん。1985年の日航機墜落事故で息子を亡くしました。
この事故では、現場となった群馬県上野村の当時の村長が中心となり発生の翌年に慰霊碑が建てられました。
美谷島さんは今、国交省の被害者支援アドバイザーとして知床事故の家族に寄り添い続けています。

美谷島邦子さん)
「そこで祈るというよりも事実をきちんと刻んでおきたい。人間の意識でしか安全を守るものはないと、私は思っているんです。意識ってそういうものがないと薄れていってしまう」

事故を繰り返さないための慰霊碑。乗客家族は地元に受け入れられる形を模索しています。

息子が行方不明 福岡県の男性)
「慰霊碑を見ながら通っていつまでも心を痛められるというのもいけないから、皆さんに受け入れられるモニュメントのようなものとか、いろいろな考えをしていくべきかなと思います」

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