北口榛花選手の手形を制作したのは…土管製作会社!?大谷翔平も!ダルビッシュも!手形のためなら何処へでも
2025年 4月30日 17:29 掲載
こちらは陸上女子やり投げの北口榛花選手の手形です。作ったのは名寄市内の会社で、なんと、本業は土管製造です。
「では、どうぞ!(除幕)パチパチパチ」。
今月17日、旭川市役所に設置されたのは地元出身の北口榛花選手の手形。パリオリンピックでの金メダルの栄誉をたたえ、ある会社から寄贈されました。
作ったのは、名寄市の名寄土管製作所。普段は、農業用の土管などを製造しています。
名寄土管製作所 松前司会長)
「土地改良のときに余計な水を排水して、作物が生育できる環境を作り出す。そのためには管を埋めて過剰な水を排水する。この埋める土管を作っています」。
そんな、名寄土管製作所。およそ90年前に創業しました。
名寄の山で採れた良質な粘土を材料に素焼きの土管を作り続け道内の農業を支えてきました。それが、なぜ、手形を作ることになったのでしょう。
名寄土管製作所 松前司会長)
「赤ちゃんの足形、それが最初でした。リアルサイズで表現できればと思っていた。こういうのは何年か先に楽しむから「跡の楽しみ」というネーミングで商品化した」。
農業に携わる人だけでなくもっと多くの人に喜んでもらいたい。そこで、土管製造で培った形づくりの技術を使い、赤ちゃんの足形を作ってみました。これが転じて…
「手形でございます」。
スキージャンプが盛んな名寄市。地元のジャンプ台で練習などにやってきた、日本人メダリストの手形も取るようになりました。キャッチフレーズは「さわっ手・かさね手・くらべ手」。
名寄土管製作所 松前司会長)
「普通、こういうものは見るだけで触れちゃいけない(ものが多い)ですが、キャッチフレーズのように触れていただくと、バーチャルじゃないけどその選手と握手したことになりませんかね」。
これまでに手形をとったアスリートはおよそ200人。
名寄土管製作所 松前司会長)
「(大谷選手の手形)これだ!」、(記者「おー!これはすごいですね」)、「これが当時の証拠写真ですわ」。
2016年、大谷翔平選手がファイターズの応援大使として幕別町を訪れた時には、わざわざ名寄から足を運び手形をとったそうです。
名寄土管製作所 松前司会長)
「この子気が利くなと思ったのは、写真を撮る瞬間なんだけど、『僕がいま目をそらしてしまったからもう一枚撮りましょうか』って言ってくれたの。あらま~って。あれは非常に印象的だったね」。
また、その翌年には沖縄県名護市でダルビッシュ有選手の手形を取りました。手形のためなら全国どこへでも通うといいます。
アスリートの手形だけではありません。土管製造の技術はこんなところにも。土管を砕いて細かくした土は、野球場の土としても使われています。2006年には札幌ドームに、その後は、神宮球場にも導入されました。
名寄土管製作所 松前司会長)
「どっかで誰かが楽しんでくれるかなって。人に楽しんでもらえたら継続できるから」。