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祖母は元島民 国境を越えた絵本プロジェクト 元島民3世アーティストの挑戦「平和を考えるきっかけに」

北方領土に住んでいた祖母を持つ元島民3世のアーティストが、絵を通じて「平和」について考える新たなプロジェクトを始めました。

「何色?この周りね。OK?」
「青」
「青?OK」

根室出身のアーティスト・Satolyさん、39歳。「差別や病気で苦しむ人をアートで癒したい」と10年以上にわたり、絵を描くことを通して世界21ヵ国の人たちと交流してきました。
この日は地元根室の障害者支援施設で、利用者とともに「平和」をテーマにした作品作りに取り組んでいました。
Satolyさんが「平和」にこだわる背景には、祖母の存在がありました。

祖母・菊地良子さん)
「小さい船で逃げてきたんだわ。かばん背負って、なんかに寄っかかってな。青空眺めてこれからどうして生きていくんだかなと思ったな。大変だったよ」

祖母・菊地良子さんは、歯舞群島の多楽島出身。3年前にこの世を去りました。

Satolyさん)
「バルコニーでばあちゃんと島の方を見ていたんですよ。一緒に島に行ってみたかったなという気持ちはあります」

元島民3世として、小さい頃から平和とは何かを考えてきたというSatolyさん。今年、新たなプロジェクトを始めました。

Satolyさん)
「きょうはみんなが描いた絵を絵本にしたいと思っています」

2月に訪れた、ドイツ国際平和村。紛争に巻き込まれたり、母国で十分な医療が受けられない子どもたちがドイツで治療を受けるため、一時的にこの村で生活しています。

Satolyさん)
「やっぱり戦争って始めたら終わりがないと思うんですよ。もうずっと何年も何十年も苦しむ子供たちもいるし、自分の世代だけでは終わらないんですよ。終わりがないからこそ始めちゃいけないんじゃないかなって強く思います」

「日本の子どもたちにも自分事として平和を考えてほしい」。Satolyさんは、村の子どもたちに「平和」をイメージした絵を描いてもらい、それらを一冊にまとめた絵本を制作することにしました。
日本に持ち帰った子どもたちの絵に、障害者など様々な境遇の人たちが新たなイメージを加え、「平和」を表す作品に仕上げていきます。

Satolyさん)
「こういうアートを通して、障害があってもなくても同じように平和っていうものはなんだろうって考えるきっかけになればいいなと思って、みんなと一緒に制作してます」

施設の利用者・杉本翔太さん)
「(Q:外国の子と一緒に平和について作品を作るってことについてはどう思いますか?)それは幸せな気持ちだと思います。みんなで平和を作るのが楽しいです」

絵本は8月ごろ完成予定で、売り上げの一部はドイツ国際平和村に寄付されるということです。

Satolyさん)
「子供に分かりやすく平和を伝えていける絵本になればいいなと思います」

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