コイの世話で逆鱗?札幌市SDGs認定企業で暴力 建設会社社長の社員暴行、防カメ捉える レバンガは契約解除
2025年 5月 8日 16:04 掲載
札幌市西区の建設会社で、社長が従業員の男性に暴力をふるう様子が防犯カメラに捉えられていました。この男性は「日常的に暴力を受けていた」と話しています。
今年3月、札幌市西区の建設会社「花井組」の社員寮で撮影された防犯カメラの映像です。
社長の妻)
「やめなって!」
殴る、蹴るなどの暴行を受ける従業員の男性。暴力を振るっているのはこの会社の社長です。男性は泣き声をあげますが、なおも手をあげる社長。さらに、耳や髪の毛を掴んで頭を揺らしています。
被害者の男性)
「膝蹴りをお腹に食らって、体制を崩して前かがみになったところを左手で平手打ちみたいな感じで殴られて『ふざけんな俺に歯向かう気か』って言われながら、顔面を蹴られたり殴られたり。(Q:回数でいうと?)20回くらい前後ですかね」
現場にはこの会社の常務と社長の妻も居合わせていましたが、この日の暴行はおよそ1時間にわたり続いたといいます。なぜ、暴行が始まったのでしょうか。
被害者の男性)
「コイの世話をしてたんですけど、たまたま社長の奥さんに何か『取って』と言われたんですよね。僕も声を荒げて『わかった』って言ったら、その一言が社長の気に障っちゃって」
手前に映る大きな水槽で飼育されているのは、大量のコイ。男性によりますと、日常的な世話は社員がやらされていて、男性が水槽の掃除を命じられたことに不満気な態度をとったところ、暴行が始まったということです。
この暴行で全治およそ3週間のけがを負った男性。
被害者の男性)
「耳が、左耳は聞こえづらかったり。首も痛めて、馬乗りになったりもあったので、股関節とひざとかも痛かった。一番は、なんでここまで俺がされないといけないんだろってのが一番ですよね。あとはそれを身近で見ている上司はなぜ止めないんだろうって思いました」
暴行を受けた後、男性は社長からこんな言葉をかけられたといいます。
被害者の男性)
「(社長から)俺も忘れるから、お前も忘れろと暴力されたあとに言われました」
男性は、社内では日常的に社長による暴力があったと話します。
暴行を受けた男性)
「(普段から)何度か僕以外にたたいたり、蹴ったり。社長が絶対的な立場なので社長に逆らったり気に障るような行動をすると、同じような目に合わすぞというイメージなので誰も社長にはモノを言えないし、常務ですら言えないから、常務の下である部下も何も言えないんですよ」
男性は先月、警察に被害届を提出し、会社を辞めました。しかしその後、上司だった社長の親族からこのようなメッセージが残されていました。
花井組社長の親族からの留守電)
「電話出れ。お前いい加減にしろよまじで。本当にさらいにいくぞお前」
今回の社内暴力について花井組は。
花井組の常務)
「弁護士に聞いてください。(Q:会社としてお答えできるのは?)一切ないです」
SDGsの達成に向けて取り組む企業として、札幌市から認定を受けている花井組。プロバスケットボールチーム・レバンガ北海道のサポートシップパートナーでもありますが、レバンガ側は8日、「暴行の映像が花井組のものだと確認できた」として契約の解除を発表しました。
被害者の男性は社長に対し考え方を改めてほしいと訴えます。
被害者の男性)
「暴力があったのは僕も許してないですけど、今後の考え方として、考え方を変えてほしいし僕以外の人の気持ちを考えたら許せなくて、会社自体もおかしいので、そこを変えてほしいですね」