「指から切るか腕からいくか」ミスすると社長が日本刀を…絶対服従の社内LINE 札幌の建設会社の異常な実態
2025年 5月 9日 18:46 掲載
社長が従業員の男性に暴力を振るう様子が防犯カメラに捉えられていた札幌市西区の建設会社「花井組」。別の元従業員の証言などから会社の異様な実態が明らかになりました。
殴る、蹴るなどの暴行を受ける従業員の男性。暴力を振るっているのはこの会社の社長です。
今年3月、札幌市西区の建設会社「花井組」の社員寮で撮影された防犯カメラの映像です。被害者の男性によりますと会社で世話をしていたコイが発端となり起きた暴行で、この会社の常務と社長の妻も居合わせていましたが暴行は1時間にわたって続いたといいます。
かつて、花井組で半年ほど働いていた男性。社長から従業員への過酷な指導は、以前からあったといいます。
元従業員)
「説教好きというか、もう特定の社員と決めたらしばらくはその社員をよく呼び出して説教するというのが結構行われていて、私の時だと女性社員だったんですけど、もう本当に1日中に近い時もありました」。
これは、HTBが入手した会社のグループLINE。見えてきたのは、社長への「絶対服従」の風潮です。
LINE画面)
「おはようございます。みなさんおはようございます、おはようございます・・・」
元従業員)
「まず朝起きたら会社着く前に全員が入れるラインですね、これは休日だろうが連休だろうが平日だろうが、もう毎日入れなければというか、当然のように習慣づいている」。
社長からのLINEには仕事中や車を運転している最中であっても、即、返信を求められたといいます。
社長)
「気持ちを汲めない者は捨てていくんだ、良いな。一期一会な、良いな。それには普段の姿勢が全てな!」
従業員)
「社長解りました。社長解りました。社長解りました・・・」。
社長に意見を言うことは、とても許される状況ではありませんでした。
別の元従業員の家族からはこんな証言も。
「現場でミスをすると連帯責任だという話になって(社長が)日本刀を出してきて「指から切るか、腕からいくか」という脅しの言葉を言われた。何もできない状態なんですよね、何をするか分からないので」。
一方で、世間に対しては”クリーン”な会社のイメージを発信する活動をしていました。
これは花井組のホームページです。「札幌SDGs登録企業」と記載されています。札幌市がSDGs達成に取り組む企業を支援するものです。
このほか、札幌市は花井組を地域に根差した「さっぽろまちづくりスマイル企業」などと認定しています。札幌市は暴行の事実確認が取れ次第、こうした登録・認証制度から花井組を取り消すことにしています。
元従業員)
「今回明るみに出たようなことはいくら昔からの会社、80年とか続いてる会社であっても許されることではないので、これをきっかけに改めてほしいというよりは、もう今更改まれるようには思えないので、然るべき処分を受けて、行政の方ですとか警察の方にもしっかり動いていただいて、然るべく処分を受けてほしいなと思います」。
8日、花井組は関係企業に対して「事実と異なる点が多くあり大変遺憾に思っています。現在顧問弁護士に依頼し、示談に向けて進行中ですのでご安心下さい」と説明しています。