値上がり続くコメ…備蓄米新ルールでも供給不安は解消? 備蓄米買い戻し期限延長…それでも集荷業者は慎重
2025年 5月19日 18:35 掲載
先週金曜日、政府が備蓄米の流通について新たなルールを発表しました。価格や供給量の安定につながるのでしょうか。
森唯菜アナウンサー)
「安いお米が売りの札幌市内のスーパーでも、コメ不足により出荷制限がかかったことで、北海道産のこちらのお米を、今月200円ほど値上げしたそうです」。
備蓄米の放出は、慢性的なコメ不足を解決するはずでした。こちらのスーパーでは、先月下旬に備蓄米を含んだ米を1回、入荷。5キロを50袋仕入れましたが、3日で売り切れました。
キテネ食品館手稲店 織田哲司副店長)
「今月もう1回入ってくる予定ですけれどもまだいつになるか、具体的な日にちは分かっていません」。
なかなか行き渡らない備蓄米。こうしたなか、中小規模の小売店にも早く流通させるためにと16日に政府が新たな策を打ち出しました。
江藤農林水産大臣)
「あらかじめ販売される小売店を決めた上で、入札に参加していただく仕組みを導入いたします」。
政府が発表した新たなルールです。今月28日に始まる4回目の入札以降、毎月10万トンを対象に入札が行われます。このうち6万トンを「優先枠」と設定。引き取った米を1カ月以内に小売店に渡す販売計画を立てた集荷業者を、入札で優先することにしました。2万トンは、卸業者を通さず町の精米店などの小売店に販売。残りの4万トンは、入札の段階で販売する卸業者と小売店を決め、精米する機能を持たないスーパーなどに販売されます。
江藤農林水産大臣)
「卸を通さないということになれば、その部分の時間とコストは確実に削られるわけです。
確実に」。
また、政府は備蓄米の買い戻し期限を「原則1年以内」から「原則5年以内」に延長することも発表。「買い戻しのコメが確保できるか」という集荷業者の不安を和らげ、幅広い業者に入札に参加してもらうことで流通経路を広げる狙いです。
しかし、道内の農協以外の集荷業者、およそ40社で構成する「北海道農産物集荷協同組合」は、「期限が延びただけで、5年後に買い戻せるかは不透明」として、入札の参加には慎重な姿勢を示しています。
札幌市内での「ゆめぴりか」5キロの平均小売価格です。1年前は2000円台だったのが、去年10月から高騰。3月に備蓄米が放出されてからも下がる兆しはありません。
高まる米の需要に応えられるよう、生産者らはこの秋の収穫量を増やそうと動いています。当別町の農場で田植えをした鈴木知事。道やJAは、今年度の道産米の生産目標を引き上げ、およそ51万トンに設定しています。
北海道 鈴木知事)
「しっかり皆さんがお米を安心して食べられるように、また生産者が安心してお米を生産することを続けられるように、国にしっかりと対策を求めていきたい」。
模索が続く、コメの問題。生産者と消費者の双方にとって適正な価格が望まれます。