店内から破裂したカセットボンベ 炭で熱せられたボンベが爆発か すすきのジンギスカン店4人けが
2025年 5月20日 16:25 掲載
大黒商事 宮田文徳社長)
「被害者の方や近隣のテナントの皆様、関係各所にはすごくご迷惑とご心労をおかけして本当に申し訳ございませんでした」
カメラの前で深々と頭を下げたジンギスカン店の運営会社社長。
ドーン
「キャー」
札幌・すすきののジンギスカン店で19日に爆発が発生し、4人が病院に搬送されました。
そのうち40代の女性従業員が両手に軽いやけどをしたほか、屋外で作業をしていた20代のインドネシア国籍の男性が落下したガラス片で頭に軽傷を負いました。
中川宙大記者)
「一夜明けて、現場となった飲食店の窓は白いシートで一面覆われています」
当面の間、休業することになったジンギスカン店では20日、割れたガラスの運び出しなどの片付け作業が行われていました。
2月にオープンしたばかりのこちらのお店。炭火で焼き上げたジンギスカンが人気でしたが、爆発はその「炭」がきっかけで起きたとみられることが、わかりました。
大黒商事 宮田文徳社長)
「炭をおこすときに、カセットコンロ用のボンベに火を炙るようなガスバーナーを付けたときがありまして、普段は使ってないものなんですけどそのガスボンベが熱で膨張して引火したのが原因だと思っている」
運営会社によりますと、店内では当時、炭場と呼ばれる場所で炭炉という機械を使い炭に火を起こす作業が行われていました。その作業で炭場の温度が上がり棚にあったカセットボンベが熱せされ1回目の爆発を起こします。爆発したカセットボンベは天井に当たったはずみで炭炉の中に入り、1回目よりも大きな2回目の爆発を起こしたとみられています。これらの爆発で厨房にいた従業員2人とホールにいた従業員1人が病院に搬送されました。
消防によりますと、19日の実況見分で破裂して底が抜けたカセットボンベが店内から発見されたということです。
カセットボンベは通常60℃ほどで膨張し70℃以上で爆発するとされています。なぜ温度が上昇する炭場にカセットボンベを置いていたのでしょうか。
大黒商事 宮田文徳社長)
「もしかしてずっと置きっぱなしになっていたことでオープンから普段使っていないものですから、あるという認識が今回なかったことが私どもの落ち度でもあると思います。管理側の」
こちらはNITE、製品評価技術基盤機構の実験動画。カセットボンベをガスコンロやストーブのそばなどの高温になる場所に放置すると、熱でカセットボンベ内の圧力が上昇し爆発してしまいました。NITEはカセットボンベが熱を持つことがないよう注意を呼びかけています。
高温になる炭場にカセットボンベを置いていたことで発生したとみられる今回の爆発。警察は業務上過失致傷の疑いも視野に、当時の状況を詳しく調べています。