メインイベントは「騎馬戦」に「組体操」 応援には大量の缶ビール…秘蔵映像でふり返る「運動会」の今昔
2025年 5月26日 20:06 掲載
今年も運動会シーズンが到来です。
今回の「ニュースアーカイバー」は子どもたちだけではなく、家族にとっても一大イベントの「運動会」に注目です。
こちらは1984年の映像。
小学校のグラウンドで大人たちが繰り広げていたのは大宴会。
缶ビールをぐいっと飲むお父さんのそばには大量の空き缶が。
こちらのお父さんは飲みすぎてしまったのか横になって寝てしまいました。
運動会は大人たちが宴会で楽しむ時代でした。
■2003年
■リポート:
「こちらの小学校では会場であることが禁止され、去年とは事情がだいぶ違うんです」
■会場アナウンス:
「ご来場の保護者のみなさまにお願いいたします。座席の方でタバコを吸わないようにお願いしています」この年に施行された健康増進法により受動喫煙防止が定められるようになり、札幌のこちらの小学校では座席での喫煙が禁止されました。
■1997年
■リポート:
「運動会の始まりになりますと、バナナがよく売れるということで、きょうは通常の2倍12キロ詰めのケース900ケースがいませりおとされましたがかなり安値で競り落とされたようです」かつての運動会の楽しみといえば「お弁当」。
当時はフルーツとしてバナナが人気でした。
■2001年
2000年代に入ると市場には様々な果物が並ぶように。
■2009年
■リポート:
「運動会の果物といえばバナナというイメージがつよいんですが、最近では運動会の前日はアメリカンチェリーがよく売れているようです」その後、お弁当のフルーツの定番はアメリカンチェリーへと移っていきました。
いまでは午後まで運動会を行う学校はほとんどなくなり、札幌市内の小学校197校中191校は昼までに終了。運動会のお弁当文化は過去のものになったのです。
■1984年
運動会で行われる競技。その風景にも時代の移り変わりが垣間見えます。
■2000年
■かけ声:「先生のぼうしー」
2000年の小学校で行われていたのは「借り物競争」。2人1組でチームを作り、お題のものを探します。
続いては棒引き。2チームに分かれ、真ん中に置かれた棒を自分の陣地まで運ぶ競技です。
■2003年
こちらはかつて運動会の人気競技だった「騎馬戦」。騎馬戦の歴史は古く、明治時代の自由民権運動のころ。活動家たちがだれがリーダーになるかを競いあったことが起源という説もあります。
■2014年
そして、騎馬戦と並ぶ運動会の花形競技だった「組体操」。
上級生が披露する組体操にあこがれたという人も多いのではないでしょうか。
しかし、事故の危険性が指摘されるようになり、札幌では2019年に各学校に対して、組体操や騎馬戦などの競技で安全が確保できない場合は実施を見送るよう通達。
それ以降、実施する学校は減少しているようです。
■2023年
そんな中でいま人気の競技が「ダンシング玉入れ」です。
これまでの玉入れは見ている保護者からすると、「わが子のの姿がよくわからない」ということがありましたが、ダンスを組み合わせることで保護者も思わず見入ってしまう競技へと変身を遂げたのです。
■2009年
■リポート:
「現在午後3時前です。今ではは前日に場所取りが行われるため100人近く保護者がビニールシートを持って今か今かとそのときを待っています」そして、かつての運動会の風物詩ともいえるのが熾烈な場所取り争いでした。
■1995年
■リポート:
「ただいま夜の8時です/もうずらりと、ござをひいてお母さん同士ペチャクチャとおしゃべりをしたり、食事をなさったり、別のテントできてますね、テントを立ててその中で休まれている方など、50人くらいが列を作っているのではないでしょうか」
■保護者:
「疲れるけど、1回前で見ちゃうと毎年前で見たくなるからね」
■保護者:
「これが1年で1度の楽しみ」
徹夜で並ぶ保護者。
さらに場所取りを代行する業者まであらわれました。
並び終わってからが場所取りの本番。
「かわいいわが子を少しでもいい場所で見たい」その一心でグラウンドを走っていきます。
■2001年
過熱した場所取り争いを防ごうとこちらの小学校で始まったのが子どもによる抽選会です。
■PTA担当者:
「早朝とか前の晩から並んだりするということで、ご迷惑がかかるということもありまして、そうゆうことを考慮して画期的な方法で抽選」
■1992年
運動会が行われていたのは学校ばかりではありません。
当時の横路孝弘知事があいさつしているのは道庁の職員や家族を対象とした「秋の大運動会」部署ごとのチームに分かれ、ムカデ競走や騎馬戦リレーなどで親睦を深めていたようです。
■1987年
こちらは大学進学予備校「代々木ゼミナール」の浪人生を対象とした運動会。
開校から40年以上、代々木ゼミナール札幌校で勤務する泉野弘行さんに話を聞くことができました。
■泉野弘行さん:
「代ゼミ札幌校は昭和56年、1981年に開校して、その年の6月くらいから(運動会は)始まっていました」その後、10年ほどは運動会が開かれていましたが会場の都合がつかず、やがて運動会は開かれなくなったといいます。「競技が始まってくるとだんだんと盛り上がって来て、一体になってみんなで騒いで楽しく過ごしていたと思います」
■2020年
昭和の雰囲気がまだ残っていた平成の運動会から、令和へ。
新型コロナの感染拡大は、大きな転換のきっかけとなりました。
当時、リレーでは同じバトンを触らないようにする工夫が。
バトンの代わりに手作りの輪を持って走り、三角コーンにおいて、それを見届けてから次の走者がスタート。
■2021年
密を避けるために保護者は1人まで…。
新型コロナの5類移行後は、大声を出しての応援が認められ保護者の人数制限はなくなりました。
時代とともにかわる運動会の形。
それでも子どもの活躍をこの目で見たいという親の気持ちはいつの時代も変わらないようです。