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札幌の企業の挑戦、刑務所出所者の雇用と立ち直りを支援「壁を作らず手を差し伸べてあげることが大事」

刑務所からの出所者を積極的に雇用し立ち直りを支援する札幌の企業。いま、雇用した人物が再び犯罪に手を染めてしまう現実に直面しています。

釜澤剛璽さん46歳。出所者を積極的に雇用している「フューチャーフライトグループ」の代表です。

この日、向かったのは札幌の中央警察署です。その理由は。

フューチャーフライトグループ 釜澤剛璽代表)
「弊社に勤めている従業員が逮捕されたと聞いて面会に来ました」

去年7月、我々は、刑務所を出て釜澤さんのもとで働き始めたこの58歳の従業員を取材していました。

釜澤代表)
「『過去と他人は変えられない』というけれど自分は違っていて、『未来が変わったら過去も変えられる』と思っている。10人ぐらい採用して1人ぐらいしかうまくいかない。だから頑張って欲しい。24時間付き合うので」

従業員)
「『これからどうしたい』と言われて『平凡に生きたい』と言ったら『まだまだ夢は持てるよ』と言ってくれたじゃないですか。それがすごい響いていて。他の土地に行って(罪を)忘れるというのは自分も違うと思っていて……すみません…なんか…うん…これだけ親身になってくれて言ってくれた人はそんなにいなくて…」

飲食店で代金を支払わず詐欺の罪で服役していたと話す従業員。以前にも同じような犯罪を繰り返し10回以上刑務所に入っていたといいます。

従業員)
「三重、横浜、府中2回、網走、旭川、網走、月形、網走、札幌ですね。数えたことは無いですけれど…(合計)20年ぐらいは入っているんじゃないですか。(Q:どうして同じことをしてしまったと思います?)平凡になるかもしれないですけれど…意志が弱かった。あと刑務所を出ちゃうと刑務所の生活って結局忘れちゃうんです。もう2度と入らないぞって思うんですけれど」

釜澤さんのもとで市内の企業での清掃業務を担当することになり、再出発への強い思いを口にしていました。

従業員)
「これで僕が戻ったらおそらく刑務所で死ぬようになると思うんですよね。年齢も年齢ですし。自分自身に立ち向かってもう二度と入りませんと誓いますね」

しかし、再就職から4カ月あまり経った、去年の年末、突然行方をくらまし音信不通になったという従業員。そんな中…。

廣瀬美羽記者)
「男を乗せたバスが出てきました」

今月23日、詐欺の疑いで現行犯逮捕された従業員の男。その後、身柄を検察庁に送られました。

伊藤榮祐記者)
「男は創成川イーストにあるバーで酒を飲んでいました。しかし金が払えず従業員が警察官を呼んだということです」

警察によりますと、男が頼んだのはビールやワイン・ウイスキーなどおよそ13000円分。しかし所持金は1000円ほどしかなかったということです。

国の最新の調査データによりますと、検挙された刑法犯の内、再犯者が占める割合は47.0%。およそ2人に1人が再犯者です。また、刑務所に再び入った人のおよそ7割が無職だったというデータもあります。
警察署で男との面会を終えた釜澤さん。このような会話を交わしたといいます。

釜澤代表)
「お金のいい所を探していたので、うちに出社せずに土木作業のような仕事をしていたらしいんですけれどどうしても体にあわなくなって、お金もなくなって、無銭飲食してしまったという形らしいです。落ち込んでいるというか悔やんでいるという感じでした」

釜澤さんがこれまでに雇用した出所者はおよそ50人。再び逮捕されたのは今回で5人目ですが、釜澤さんはこれからも今回逮捕された男を支援し、出所者雇用に変わらず取り組んでいくと話します。

釜澤代表)
「出所者は仕事だったり医療だったり、サポートが無ければかなり多くの方が再犯をしてしまいます。僕ら側が壁を作らず手を差し伸べてあげることが大事だと思うので諦めずにやっていこうと思います」

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