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北海道で相次ぐ地震 危機感高まるなか日本海側巨大地震の被害想定を初公表 死者は最大約7500人

北海道は、日本海沿岸で地震が起きた場合の被害想定を初めて公表しました。真冬の深夜に発生すると、およそ7500人の死者が出ると想定されています。

北海道大学広域複合災害研究センター・岡田成幸名誉教授:「日本海沿岸の地震の特徴から、今回対象となる地域は避難が極めて厳しくなる状況も想定されているということですので、十分な対策が望まれるということです」。

3日初めて公表された被害想定。日本海沿岸で巨大地震が起こり、津波が発生した場合の最大の被害を想定しています。冬に発災した場合は、死者7500人、建物の倒壊は1万6000棟に上ります。国の想定では、今後30年で北海道の日本海沿岸で巨大地震が起こる確率は0.1%以下と低いですが、専門家は被害想定を公表する意義をこう強調します。

北海道大学広域複合災害研究センター・岡田成幸名誉教授:「揺れによる被害も大きいですし、それによって避難も難しい状況が想定される。さらに、津波到達の時間が極めて早いということになります」。

日本海沿岸で想定される地震は、陸地に近い場所や内陸部にある断層が震源とされています。揺れが大きくなるのに加え津波が発生すると、到達速度は太平洋側の海溝型の巨大地震によるものよりかなり早く、数分で津波が押し寄せるのが特徴です。

前田愛奈記者:「松前町の市街地です。海のすぐそばに市街地が広がっているのが分かります」。

漁業が盛んな道南の松前町は海に沿って町が広がり、海抜高度も低い地点が多くあります。津波は地震発生からわずか数分で到達し、高さは最大で26.3mの予測。観光名所の松前公園が、ほぼのみ込まれてしまう高さです。

道の想定では、冬の深夜に巨大地震が発生すると、住民の4割に相当する2400人が津波に巻き込まれ死亡するとしています。

松前町民:「もう私の家はないです、この辺は。この上の山も無理だね」「そうしたら終わりだよ。なんもなくなる。死にたくないから、努力する範囲は努力する」。

町の中には高台へ逃げる避難通路が複数設置されているものの、最大26mの津波から逃れるには十分な高さではないのが現状です。また、山側へ避難するにも、広い道路が整備されていません。

稚内市企画総務部・大久保和彦防災主幹:「確かに、被害想定の数値としては大きい数字ではある。市民の皆さんが過度な不安を抱かないように、説明していかなければならない」。

稚内市の場合、最大12mの高さの津波が押し寄せると想定。また、最大の被害となるのは、街に出ている人口が最も多い夏の昼間で、死者はおよそ4000人に上ると見込まれています。

稚内市では、防災対策として12年前から各家庭に防災情報を伝えるラジオを無料で配布しています。市が情報を発信すると電源が入り最大音量となるもので、9割の世帯に配布が完了しています。

稚内市企画総務部・大久保和彦防災主幹:「まず情報があって、初めて避難が発生する。これからも国、道と連携して、防災減災の取り組みを進めていかなければならない」。

道内で、この1カ月の間に相次ぐ最大震度4の地震。2日朝には、十勝沖を震源とするマグニチュード6.3の地震が発生し、大樹町と浦幌町で震度4を観測しました。道東を中心とするこれらの地震について、日本海側で起こりうる地震との関連性はあるのでしょうか。専門家は。

北海道大学大学院 地震火山研究観測センター・高橋浩晃教授:「今回、太平洋側で起こった地震は、直接、日本海側の地震に影響を与えるということは考えられません。一方で、日本海側についても地震とか津波のリスクはありますので、万が一の備えをするのは重要な取り組み」。

道は、今年8月と来年1月に日本海沿岸の市町村で、住民参加型の訓練を行うなどして、防災への備えを進めたいとしています。

北海道大学広域複合災害研究センター・岡田成幸名誉教授:「逃げる時間が早くなればかなり助かる確率が上がりますので、少しでも命が助かる確率を上げていただくということが最も重要」。

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