なぜそんな場所に巣を?マガモの子育て 専門家「奇跡です」 生徒たちの愛情で無事ふ化して巣立つ? 札幌
2025年 6月 9日 18:00 掲載
心温まる映像が届きました。こちら、マガモのお母さんが産んだ卵とふ化したばかりのひなを守っている様子なんですが、すみ着いたのは意外な場所でした。
巣の中で、産んだ卵を温めるマガモのお母さん。そばには、この日生まれたばかりのひなが2羽。なんともほほえましい光景ですが、この巣が作られた場所は、なんと高校の玄関前。先月5日、札幌国際情報高校の玄関前にマガモが巣を作り、卵を産んでいたのを先生が発見。それ以降、生徒・教職員が一丸となって、卵を温める姿を見守ってきました。
ふ化が始まったのは、先月30日のこと。お母さんに落ち着いた環境を作ってあげようと、巣の前には近付かずに定点カメラを設置。生徒たちは、校内のモニターで新しい命の誕生を見守りました。
生徒:「新しい入学者が来て、かわいいです。学校のアイドル。みんなカモのことを気にして、先生も授業中に『カモ元気かな』って」「まさか自分の学校の敷地内に、カモが卵を産むなんて思っていなかったので、すごいびっくりした」。
通常は、水辺の近くで巣を作り、卵を産むというマガモ。一体、なぜ多くの人が行き交う学校の玄関前に巣を作ったのでしょう?
野鳥の会札幌支部・猿子正彦支部長:「カモって結構天敵に捕食される確率が非常に高い。青大将という蛇が水辺に結構な数がいて、卵だとかひなを食べるんですよね。次がキツネ。そうすると、学校や人のいるような所だと、一番安全なんですよ」。
卵やひなが天敵に襲われないよう、あえて人が多い場所に巣を作るケースは珍しくはないそうです。それにしても、これほどまでに周りからよく見える場所にすみ着くことは、ほとんど例がないといいます。
野鳥の会札幌支部・猿子正彦支部長:「もう奇跡ですよね。うまくいくこと自体が。それだけ生徒の皆さんが優しく見守ってくれて、カモのお母さんも安心したのかなって感じですよね」。
札幌国際情報高校の皆さんの愛情により、無事にふ化したヒナたち。親子は、翌日には姿を消し、おそらく1km先にある新川を目指し旅立ったのではないかと予想されています。来年も、かわいい入学生はやってくるのでしょうか。こうご期待。