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解答を書き写すだけで幼稚園教諭の免許取得…内部告発で懲戒解雇された男性の思いは

幼稚園教諭を育成する札幌の専門学校が、免許取得に必要な試験で、模範解答の丸写しを認めていたことがわかりました。内部告発をして懲戒解雇された男性が、取材に応じました。

専門学校を懲戒解雇された男性:「幼稚園教諭として、適切な知識を持った学生を卒業させてほしい」

こう話すのは、幼稚園教諭を育成する札幌の専門学校で教員として働いていた40代の男性です。

専門学校を懲戒解雇された男性:「幼稚園教諭(免許)を取れるレベルではない学生。例えば自分の名前と〇×ぐらいしか書けない学生でも、解答を写すだけで幼稚園教諭2種の免許を取って、現場に出てしまう」

勤務していたのは札幌市中央区の「札幌こども専門学校」。幼稚園教諭免許の取得に必要な単位認定試験で、2020年から学生に模範解答の「丸写し」を認めていたというのです。学生の点数が書かれた一覧表を確認すると、ほぼ全員が「100点」をとっていました。

去年実際に行われた試験の模範解答では、「また、教育課程を編成する際の最低限の基準であるという性格が明確にされている」とありますが、学生の解答用紙を見ると模範解答と全く同じ文章が書かれています。ほかの学生の解答用紙を見ても同じ文章が書かれていて、解答を書き写したことがわかります。この試験では教科書の持ち込みが可能でした。教科書を製作したのは学校側で、問題例と模範解答が掲載されていました。本番の試験では、この教科書の問題例と全く同じ問題が出題されていたのです。

専門学校を懲戒解雇された男性:「幼稚園教諭として採用した現場の幼稚園の方から、担任を任せたけれども一切仕事ができない、この人本当に免許を取ったんですかという能力不足を指摘する電話が学校の方にかかってくるようになりまして、非常に深刻な問題であると考えております」

男性は再三、学校側に改善を求めていました。男性の指摘後、すべて記述回答式だった試験問題は、2023年から半分が選択回答式に改められました。とは言え、合格点のボーダーは60点。教科書を書き写せば50点は確実にとれる状況でした。

学校側の対応に不満を持った男性は、この問題を今年1月に報道機関に内部告発。すると4月に自宅待機を命じられ、5月末に懲戒解雇を言い渡されました。解雇の理由については、「重要かつ秘密の内部資料を許可なく持ち出し、報道機関に流出させた」と書かれていました。

専門学校を懲戒解雇された男性:「公益目的ということを一切把握・理解せずに、単なる漏洩という風に断じられたことには、非常に遺憾の思いがあります」

男性は6月中にも専門学校を運営する学校法人を相手取り、解雇の無効を求めて札幌地裁に提訴する方針です。男性の代理人弁護士は「公益通報者保護法の趣旨に反する」と主張しています。

この問題について、学校法人はHTBの取材に「コメントできない」としています。

専門学校を懲戒解雇された男性:「現在も学校で授業を受けている学生たちがいる。責任を持った教育をしてほしいと考えております」

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