札幌コンビニ店員殺傷事件の裁判員裁判 被害者遺族の意見陳述も 検察は被告に懲役30年を求刑
2025年 6月27日 07:47 掲載
去年2月札幌市北区のコンビニで運営会社の社員を殺害したなどの罪に問われている男の裁判で検察は懲役30年を求刑しました。
検察側は「生じた結果だけでも重い心神耗弱であっても重いことには変わらない」としました。3人を殺傷した罪に問われた男に検察側が求めたのは「30年」という懲役刑でした。
去年2月札幌市北区のコンビニで店員ら3人が死傷した事件。
住所不定・無職の宮西浩隆被告はペティナイフを持ち込み当時40歳の運営会社社員の男性を殺害し、店員2人を殺害しようとした罪に問われています。
裁判の争点は、統合失調症を患っている宮西被告に刑事責任を問えるかどうか。
これまでの裁判で検察側は程度が軽い「心神耗弱」だとする一方で、弁護側は責任能力がない「心神喪失」だとして無罪を主張しています。
札幌地裁で行われた4回目の裁判員裁判。
■中川宙大記者:
「検察から懲役30年を求刑されたとき、宮西被告の表情は特に変わりませんでした」
検察は「自分の行動を悪いことと認識して自らの意思で選択して実行した本来は無期懲役を求める事案心神耗弱以外に大きく刑を減らす事情もない」とし、懲役30年を求刑しました。
一方、弁護側は「自分のすることが悪いことか正常な能力が残されていなかった」として改めて無罪を主張しました。
裁判では事件で亡くなった男性の父親の意見を弁護人が代わりに読み上げました。
■遺族の意見陳述(弁護人代読):
「(宮西被告は)殺人についてためらいがあったと話していました。いけないことだと分かっていたはずです。厳正な判決を求めます」
裁判の最後、宮西被告は裁判長からの問いかけに
「被害者、被害者の家族の話を聞いて、気持ちの整理が追いつかない。申し上げたいことはあるけど申し上げられませんでした。すみませんでした」と述べました。
判決は来月2日に言い渡されます。