「子どもたちの命を守るため」幼稚園教諭免許”模範解答丸写し”告発の男性が懲戒解雇無効求める
2025年 6月30日 16:15 掲載
幼稚園教諭の免許取得に必要な試験で、札幌市内の専門学校が模範解答の丸写しを認めていた問題。
内部告発をし懲戒解雇された男性が、無効を求める仮処分を申し立てました。
「子どもたちの命を守るために告発を行いました」と話すのは、札幌市中央区の「札幌こども専門学校」で教員として働いていた40代の男性です。きょう札幌地裁に懲戒解雇の無効などを求める仮処分の申し立てを行いました。男性が勤務していた「札幌こども専門学校」では、系列の小田原短大の通信教育課程を受けることで、「札幌こども専門学校」で幼稚園教諭の資格を得ることができます。
しかし幼稚園教諭免許の取得に必要な単位認定試験で、2020年から学生に模範解答の「丸写し」を認めていたといいます。こちらは学生の点数が書かれた一覧表。ほぼ全員が「100点」をとっていました。
■懲戒解雇された男性
「幼稚園の方から卒業生に関して電話がきて『担任を任せたけど一切仕事ができない。この人本当に免許をとったんですか?』と能力不足を疑う電話がかかってきた」
男性は再三、学校側に改善を求めていました。男性の指摘後、すべて記述回答式だった試験問題は、半分が選択回答式に改められましたが、合格点のボーダーは60点。教科書を書き写せば50点は確実にとれる状況でした。男性は今年1月、この問題を報道機関に内部告発。すると4月、自宅待機を命じられ、先月には「重要かつ秘密の内部資料を許可なく持ち出し報道機関に流出させた」として、先月末、学校側から懲戒解雇を言い渡されました。
■懲戒解雇された男性
「公益目的があったにも関わらず『情報流出だ』と一方的に断じて、私を懲戒解職したことについては非常に納得できない思いがあります。」
小田原短大のホームページによりますと、毎年およそ1800人が卒業する通信教育課程では、2020年度から昨年度まで試験での模範解答の書き写しを認めていました。つまり全国にある系列の専門学校などで、同様に模範解答の書き写しが行われていたというのです。文部科学省は今年3月、改善すべきと指導を行ったとしています。この問題について、学校法人はHTBの取材に「個人情報にかかわるので、コメントは差し控える」としています。男性は来月、解雇の無効などを求めて札幌で提訴する方針です。